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リスニングの救世主、聞き取れない音が聞こえてくる6ステップ

 2016/07/26 リスニング・発音
この記事は約 13 分で読めます。
聞こえない音が聞こえてくる

英語のリスニングを練習していると、どうしても聞き取れない音に出会うことがありますよね。

何度聞いても聞き取れないと、「耳が悪いのかな」とか「歳を取ったから、リスニングはもう上達しないのかな」と自信喪失なんてこともあります。

日本人の耳は、成長の過程で日本語の音を聞き取るように調整されるため、大人になってから英語を聞き取るのは簡単ではないのです。

でも、「健康カプセル 元気の時間」(2016年7月24日)で紹介されていた「聴覚ネットワーク」を鍛えることで、今まで聞き取れないと悩んでいた英語の音を聞き取れるようになります。

この記事では、聴覚ネットワークの特性を利用して、今まで聞き取れなかった英語の音が聞こえるようになる練習法を紹介します

リスニングが大幅に上達するのでぜひ参考にしてください。

今は聞き取れない音が聞こえるようになるリスニングの練習法について詳しくは、以下のページでも説明しています。

⇒ 誰でも効果が出る!英語のリスニング勉強法|上達のコツを7つ厳選

このページとあわせて参考にしてください。

人によって聞き取れる音と聞き取れない音がある

耳がいい人と耳が悪い人がいるのはよく知られていますが、人によって聞き取れる音と聞き取れない音があることを知っていますか?

特定の音はよく聞こえるのに、特定の音は聞こえないということがあるのです。

歳を重ねて難聴になってくると、聞き取れない音が増えてきます。

英語のリスニングについてお話しする前に、老化すると聞き取れなくなってくる日本語の音についてお話ししますね。

ナオ

えっ、マジで?早めに切り上げてな!

難聴には興味ないし。

アキラ

必要やから話すんやで。しっかり聞いといてや。

歳を取るとともに聴力は衰えていきます。これは誰も避けることができません。

特に聞き取れなくなるのは周波数が高い音で、若いときは当たり前のように聞こえていた音が、歳を取ると聞き取れなくなります。

具体的には、「あ、い、う、え、お」などの母音は周波数が低いので歳を取っても比較的聞き取りやすく、「か、さ、た、ぱ」など子音は高い音が多いので聞き取りにくくなります

だから、たとえば、

しとって」と「しとって

ろい」と「ろい

のように、似たような音を聞き間違えることが多くなります。

このように聞き間違えが多くなったり、言葉の要所要所が聞こえなくなったりしてくると、「言葉は聞こえるけど、何を言っているのかよく分からない」という状態になります。

聞こえない音は脳で補えば聞こえてくる

頭脳

老化にともなう難聴は、耳の奥にある蝸牛(かぎゅう)という部分にある有毛細胞が壊れることで発生します。

有毛細胞は、周波数が高い音を聞き取る細胞から壊れ始めるため、高い音から順に聞き取れない状態になるのです。

しかも、有毛細胞は、一度壊れると再生しないので、一度失った聴力を取り戻すことはできません。

しかし、聴覚ネットワークを鍛えることで失った聴力を補うことができます

 

ナオ

英語のリスニングの話を聞きたいのに、難聴の話ばっかりやね。

どうなってんの?

アキラ

蝸牛や有毛細胞みたいな名前はさらっと読み飛ばしといてええで。

順番に説明するから、もう少し我慢してな。

聴覚ネットワークとは

聴覚ネットワークとは、音にまつわるすべてを管理する脳内ネットワークのことです。

聴覚ネットワークの役割の1つとして、はっきり聞き取れなかった音を補完して、完全な音として解釈することがあります。

つまり、耳の機能が衰えた分を脳が補ってくれるわけですね。

たとえば、ある文を聞いたときに

○○○がっこうのうんどう○○は、つぎの○ようびですよ

のように、○○部分の音をはっきり聞き取れないとします。

そんな場合でも、聴覚ネットワークを鍛えることで、聞き取れなかった部分を補って、

小学校の運動会は、次の火曜日ですよ

のように完全な文として解釈できるようにしてくれます。

しかも、一度正しく聞き取れるようになった音は、次からは正しく聞き取れるようになります。

つまり、一度「小学校の運動会は、次の火曜日ですよ」と正しく聞き取れるようになったら、次からは実際には「○○○がっこうのうんどう○○は、○○の○ようびですよ」のように、聞き取れない部分があっても、聴覚ネットワークの働きで「小学校の運動会は、次の火曜日ですよ」と聞き取れるようになるのです。

聞き取れない部分は、脳の聴覚ネットワークが補ってくれるおかげです。

 

ナオ

本当は聞こえてないのに、聞こえたものと脳が勘違いするってことなん?

アキラ

そうやね。脳をトレーニングしておいたら、聞こえんかった部分を類推してくれるわけや。

「○っこう」みたいに「○」の部分は聞こえんかっても、「あっ、これは『学校』って言うたんやろな」って自動的に修正してくれるってこと。

ナオ

それって、英語のリスニングにも使えそうやな!

アキラ

やっと分かってきたみたいやな。

聴覚ネットワークのトレーニング方法

聴覚ネットワークのトレーニング方法として、「おかし」「おはし」など、音の響きが似た言葉を誰かに言ってもらい、何と言ったかを当てるトレーニングがあります。

このときのポイントとして、

  1. 口の動きが見えないように、背後に立って言ってもらう
  2. 目に頼らずに、音を耳で聞き取ることに集中する

ということが重要です。

このトレーニングを繰り返すことで、「お○し」のように言葉の一部をうまく聞き取れなかったときでも、聴覚ネットワークが正しい音を推測してくれるので、正しく解釈できるようになります。

衰えた耳の機能を脳が補ってくれるわけですね。

聞こえない音を脳で聞けばリスニングが上達する

not-ask-her

聴覚ネットワークをトレーニングすると、英語のリスニングを鍛えることもできます。

リスニングを練習していると、聞き取れない音にたくさん出会います。

たとえば、リスニング教材で「アスカー」と聞こえる部分があったとします。

でも、「アスカー」なんて単語は知りませんよね。

英文テキストで確認すると「ask her」と書かれていました。

でも、何度聞き直しても「ask her(アスク・ハー)」ではなく「asker(アスカー)」と聞こえます。

「ask her」の「h」の音が抜け落ちて「ask er」と聞こえているわけですね。

でも、聴覚ネットワークを鍛えることで、聞こえない部分を補って、「アスカー」と聞こえたら「ask her」のことだとすぐに分かるようになります。

 

ナオ

そやけど、英語の音を聞き取れない理由は、難聴とは違うやろ。

関係ないのと違うか?

アキラ

そうやね。でも、難聴になったときと同じようなトレーニングでリスニングは上達するんやで。

これから、今まで聞き取れなかった音を聞き取れるようになる練習法を紹介するから、しっかり聞いといてや。

おまけ:英語の音を聞き取れない理由
英語の音を聞き取れない理由は、以下の3つが考えられます。

  1. 英語は日本語より周波数が高いので日本人には聞こえにくい。
  2. 日本語に存在しない発音は聞き分けられない。
  3. 期待していた発音と違うので対応できない。

理由はいろいろですが、いずれの場合でも聴覚ネットワークを鍛えることでリスニング上達につなげることができます。

聞こえない音が聞こえてくるトレーニング方法

聞こえない音が聞こえてくる

リスニングを練習して、今は聞き取れない英語の音を聞き取れるようになるには、精聴という練習方法が効果的です。

精聴というのは、意識を集中して同じオーディオを繰り返し聞くリスニングの練習方法のことです。

聞き流しするのではなく前置詞(「at」や「in」など)や冠詞(「a/an」「the」)など細部まで意識しながら聞きます。

精聴は、以下のように練習すると効果的です。

  1. 短くて難しくないオーディオ教材と英文スクリプトを用意します。
  2. 集中してオーディオを聞きます。
  3. 英文スクリプトを見て、正しく聞き取れたか確認します。
  4. 聞き取れなかった部分を意識しながらオーディオを聞きます。
  5. 英文スクリプトを見て、正しく聞き取れたか確認します。
  6. ステップ4と5を繰り返します。

聞き取れなかった部分と英文スクリプトを見比べて、「この音が聞こえたらこの言葉」という対応付けをしっかりと脳に教えます。

たとえば、「get you」は、何回オーディオを聞いても「ゲット・ユー」と聞こえることはありません。

「ゲッチュ」のように聞こえるはずです。

ですので、「ゲット・ユー」と聞こえるまで繰り返しオーディオを聞くのは無意味です。

そうではなく、「ゲッチュ」と聞こえたら「get you」のことだと判断できるように脳をトレーニングするわけです。

他にも、

「マスビ」⇒「must be」

「レミ」⇒「let me」

「イズィス」⇒「is this」

「ハウジャ」⇒「how did you」

「ワザ」⇒「what the」

「ワスゴナ」⇒「what's going to」

など、聞こえてくる音と英語を頭の中で一致させるために、

  1. オーディオを聞いて何と言っているか想像する
  2. 英文テキストを見て確認する

という練習を繰り返します。

このリスニング練習を繰り返して、聞き取れない音を1つ1つつぶしていくことで、聞き取れない部分が少しずつ減っていきます。

 

ナオ

スペルのとおりに音が聞こえるように練習するんじゃなくて、聞こえた音をそのまま覚えるってこと?

アキラ

そうやね。「must be」を何回聞いても「マスト・ビー」とは聞こえてこんよ。

ネイティブは「マスト・ビー」とは発音せんからな。

そんな無駄な練習をするより「マスビ」と聞こえたら「must be」のことやと分かるように練習するほうがええんや。

このリスニング練習を続けると、今まで聞き取れなかった音がす~っと耳に入ってきて意味が分かるようになります。

リスニング練習で聞き取れない音をなくすには

指と電球

この記事では、リスニング練習を通じて今まで聞き取れないと悩んでいた英語の音を聞き取れるようになる練習法を紹介しました。

この練習を続けると、確実にリスニングが上達するのでぜひ実践してください。

なお、このページで説明した練習法の効果を100パーセント引き出すには、以下のページで説明しているシャドーイングという練習をする必要があります。

すぐに始められるシンプルな練習法なので、ぜひ毎日のリスニング練習に取り入れてください。

シャドーイングとは?簡単6ステップのやり方とおすすめ英語教材

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ライター紹介 ライター一覧

アキラ

アキラ

株式会社トランス・ダイナミック代表取締役。原田メソッド認定パートナー。
ニュージーランドとアメリカで留学・就職を経験。中学生・高校生・社会人に英語指導をしたあと翻訳者として独立。TOEICは、試験勉強を一切せずに一発で940点。

現在は、翻訳事務所を運営しながら、英語学習者向けの情報配信、英会話教材の開発・販売、翻訳通信講座の運営を行っています。

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