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冠詞の使い方、13分で学ぶ「a」と「the」の違い

 2017/06/28 文法
この記事は約 13 分で読めます。
考える犬

このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラがネイティブの翻訳者と協力して、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。


「aを使えばいいのかtheを使えばいいのか分からない・・・」

「aやtheを使わなくても意味は通じるのに、何で使わなきゃいけないの?」

なんて思ったことはありませんか?

頭を抱える女性

日本人にとって冠詞(a/an/the)って頭痛の種なんですよね。

勉強しても上手く使いこなせないし、「そもそも何のために必要かすら分からない」なんてこともあると思います。

こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。

笑顔のアキラ

今日は、英語の冠詞について説明します。

冠詞とは、英語の名詞の前に付ける「a/an/the」のことです。

冠詞は日本語にない表現なので正しく使うのが難しく、英語ペラペラに見える人でも冠詞を間違えることはよくあります。

でも、冠詞は正しい意図を伝えるためにとても重要な要素であり、正しく使いこなせばネイティブ英語にぐっと近付くことができます。

この記事を読んで、冠詞の意味と使い方を身に付けてください。

冠詞とは

冠詞とは、名詞の前に付ける言葉のことで「定冠詞」と「不定冠詞」があります。

不定冠詞とは「a/an」のことで、不特定の1つのものの前に付けます。

例)a cat(1匹の猫)

複数の猫

不定冠詞「a/an」は、不特定多数のモノ・生き物の中の1つを指すときに使います。


定冠詞とは「the」のことで、特定のものの前に付けます。

例)the cat(その猫)

エサを食べる猫

定冠詞「the」は、特定のモノ・生き物を指すときに使います。

以下に、不定冠詞と定冠詞について詳しく説明します。

不定冠詞とは

不定冠詞とは、名詞の前に付ける「a/an」のことを指します。

不定冠詞「a/an」は、数えられる名詞(可算名詞)の前に付き、「1つ」という意味を表します。

不定冠詞の例

a desk:(1つの)机
a book:(1冊の)本
a computer:(1台の)コンピューター

名詞が母音「a/i/u/e/o」の音で始まるときは、「a」ではなく「an」を使います。

an apple:(1つの)リンゴ
an orange:(1つの)オレンジ
an hour:1時間
ナオ
「hour」は、子音の「h」で始まるのに、何で「an」を付けるん?
アキラ
「a」を使うか「an」を使うかは、スペルじゃなくて発音で決まるんや。

「hour」のスペルは「h」で始まるけど、発音は「アワー」やろ。
母音の「ア」で始まるから「an」を使うわけや。

ナオ
ほんなら、「university」(ユニヴァーシティ)は、子音の「ユ」で始まるから「a university」になるんか?
アキラ
そういうことや!

ちなみに、「an exciting movie」(ワクワクする映画)みたいに名詞の前に母音で始まる形容詞(exciting)があるときも「a」じゃなくて「an」になるから忘れんといてな。

不定冠詞「a/an」は、数えられない名詞(不可算名詞)には付けることができません。

不可算名詞の例

water:水
bread:パン
coffee:コーヒー

不可算名詞の量(数)を伝えたいときは、以下のように数詞を使います。

a glass of water:グラス一杯の水
a loaf of bread:パン1斤(きん)
two cups of coffee:カップ2杯のコーヒー
three sheets of paper:3枚の紙
four pieces of furniture:4点の家具
ナオ
パンは「1つ、2つ」って数えられるし、紙は「1枚、2枚」って数えられるやん。

何で不可算名詞なんやろ?

アキラ
日本人だったら誰でもそう思うやろな。
その答えは・・・誰にも分からん。
そういうものと覚えるしかないわ。

ちなみに、日常英会話では喫茶店で「I will have a coffee.」(コーヒーください)みたいな言い方をするで。

文法的には正しくないけど、日常英会話ならこれで通じるんや。


不定冠詞の「a/an」は、「不特定の1つのもの」「初めて話題に上がるもの」に付けます。

たとえば、「カメラがほしいなあ」と言う状況を想像してください。

上のような言い方をするとき、「この特定のカメラがほしい」という意味ではなく、「世の中(お店)にカメラがたくさんあって、その中の1つがほしい」という意味ですよね。

「このカメラがほしい!(このカメラでないとダメ)」という意味ではないはずです。

このようなときは、以下のように不定冠詞「a」を使います。

I want a camera.

カメラがほしいなあ。

別の例を紹介します。
以下の英文を見てください。

My father bought a new camera.

父は新しいカメラを買いました。

上の英文で、新しいカメラが初めて話題に上がりました。
初めて話題に上がるカメラ(不特定のカメラ)なので不定冠詞の「a」が使われています。

He showed me the camera.

彼は、そのカメラを私に見せました。

この英文では、話し手と聞き手の両方が、どのカメラについて話しているのかすでに知っているため(特定のカメラ)、不定冠詞「a」ではなく定冠詞の「the」が使われています。

定冠詞とは

名詞の前に付ける「the」を定冠詞といいます。
定冠詞は、日本語では「その」という意味に解釈できます。

定冠詞は、以下のような名詞に付けます。

  1. 世の中に1つしかないもの。
  2. 話し手と聞き手の両方にとって、何を指しているか明らかなもの。
  3. 修飾語句が付いていて特定されるもの。
  4. 楽器

それぞれについて、以下に説明します。

世の中に1つしかないもの

たとえば、太陽や月はこの世(地球)に1つしかありません。
だから、「the sun」(太陽)、「the moon」のように定冠詞「the」を付けます。

話し手と聞き手の両方にとって、何を指しているか明らかなもの

たとえば、居間にテレビが1台あり、家族の誰かに「テレビを付けてくれる?」と頼むとします。

Can you turn on the TV?

テレビを付けてもらえますか。

このとき「the TV」のように定冠詞を使います。
なぜなら、どのテレビのことを話しているのか、聞き手にとって明らかだからです。

修飾語句が付いていて特定されるもの

名詞に以下が付いている場合は、定冠詞「the」を付けます。

  1. 「only」「last」「same」「very」 など
  2. 序数詞(「first」「second」)など
  3. 形容詞の最上級(「fastest」「most beautiful」など)

以下に例文を紹介します。

My father was the only person who knows how to handle the situation.

夫が、状況に対応する方法を知っている唯一の人でした。

My sister and I use the same PC.

妹と私は同じパソコンを使います。

This is the second time I have visited New York.

ニューヨークを訪れるのはこれが2回目です。

My daughter is the fastest swimmer in the team.

娘は、チームで一番泳ぐのが速い。

楽器

「楽器を演奏する」と言うときは、楽器に定冠詞「the」を付けます。

play the + 楽器

I play the piano everyday.

毎日、私はピアノを弾きます。

Does your daughter play the violin?

あなたのお嬢さんはバイオリンを弾きますか。

上の英文のように「楽器を演奏する」と言うときは楽器に「the」を付けますが、特定の楽器を指しているわけではありません。

「ピアノという楽器」、「バイオリンという楽器」という意味を表しているだけです。

「演奏する」という意味で使うとき以外は、文脈に応じて定冠詞と不定冠詞を使い分けます。

Christine bought a new piano.

クリスティーンは新しいピアノを買いました。

She said the piano was very expensive.

彼女は、そのピアノはとても高かったと言いました。

冠詞の使い方

すでに説明したように、冠詞には「定冠詞」と「不定冠詞」があります。

不定冠詞「a/an」:「不特定の1つのもの」「初めて話題に上がるもの」に付けます。

定冠詞「the」:「世の中に1つしかないもの」「話し手と聞き手の両方にとって何を指しているか明らかなもの」「修飾語句が付いていて特定されるもの」「楽器」に付けます。

言葉で説明しても分かりにくいので、ここでは例文をいくつか紹介します。

Christine:I found a nice restaurant last week.
クリスティーン:先週、素敵なレストランを見つけました。

Hiroshi:Did you go to the restaurant?
ヒロシ:そのレストランに行ったんですか。

クリスティーンの台詞では、レストランが初めて話題に上がりました。
初めての話題なので不定冠詞の「a」が使われています。

ヒロシの台詞では、どのレストランについて話しているのか2人とも知っているので、定冠詞「the」が使われています。

The moon is so beautiful tonight.

今夜は、月がとても綺麗です。

月は(地球には)1つしかないので定冠詞「the」を使います。

Most of the people watching the movie burst into laughter.

映画を見ていたほとんどの人は、どっと笑い出しました。

※「burst into laughter」=どっと笑い出す、burst-burst-burst

上の英文では、「映画を見ていた」という言葉のために「誰か」が特定されるため、定冠詞「the」が「people」に付きます。

冠詞を間違えるとどう聞こえるの?

日本語には冠詞がありませんが、日常会話で困ることはありません。

だから、「英語でも冠詞を使わなくても意味は通じるんでしょ?」「少しくらい冠詞を間違えても分かるでしょ?」と考えてしまいがちです。

確かに、日常会話で冠詞を使わなかったり定冠詞と不定冠詞を間違えたりしていても、ネイティブは理解してくれます。

でも、それは「たぶん、こう言いたいんだろうな」と想像してくれていると考えるべきです。

以下の英文を見てください。

I bought the new camera yesterday.

「えっ、どのカメラのこと?」

定冠詞「the」は、話し手と聞き手にとって何を指しているか明らかなものに付けられます。
だから、これ以前に新しいカメラのことが話題に出ていなければ「the」を使うことはできません。
いきなり「the camera」と言うと聞き手は混乱します。

このような場合は、「I bought a new camera yesterday.」と言うのが正解です。


Hiroshi has a cat and a dog. Cat is very pretty.

「えっ、可愛いのはどの猫?」

この英文では、後半の「cat」に冠詞が付いてないため、どの猫が可愛いのか分かりません。

もし、ヒロシが飼っているネコが可愛いなら「the cat」(その猫)と言う必要があります。
定冠詞「the」を付けることで、ヒロシの猫ということを特定できるからです。

「Cat is very pretty.」だけでは、「ヒロシの猫は可愛い」と言っているのか、「世の中の猫はみんな可愛い」と言っているのか分かりません。

日常英会話では、冠詞を間違えても文脈から理解してもらえますが、ネイティブにとっては変な英語に聞こえます。

できるだけ冠詞を正しく使うことを普段から意識しましょう。

英語を自由に話せるようになる勉強法

この記事では、冠詞(定冠詞と不定冠詞)について説明しました。

人間の脳は、12歳~13歳くらいを過ぎると自然に言語を習得することはできなくなると言われています。
だから、私たちが英語を身に付けるには、このような文法を学ぶことがとても重要です。

でも、文法を勉強しただけでは英語を話せるようにはなりません。
英語を話せるようになるには、文法を自由に使いこなすための専用の勉強が必要です。

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ライター紹介 ライター一覧

アキラ

アキラ

株式会社トランス・ダイナミック代表取締役。原田メソッド認定パートナー。
ニュージーランドとアメリカで留学・就職を経験。中学生・高校生・社会人に英語指導をしたあと翻訳者として独立。TOEICは、試験勉強を一切せずに一発で940点。

現在は、翻訳事務所を運営しながら、英語学習者向けの情報配信、英会話教材の開発・販売、翻訳通信講座の運営を行っています。

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