whomの意味と使い方、who/whoseとの違いを解説!
「”who”と”whom”って何が違うの?」
「関係代名詞の”who”、”whom”、”whose”はそれぞれどう使い分ければいいの?」
“who”と”whom”は似ていますが、意味や使い方が異なります。
学校の定期試験やTOEIC、英検などの英語資格試験でも狙われやすいポイントであるため、しっかりと違いを理解しておくことが大切です。
この記事では、それぞれの文法上での役割と、意味・使い方について例文を用いて解説します。
読み終わる頃には、それぞれの違いがしっかりと分かり、自信を持って正しく使い分けられるようになるでしょう。
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目次
whomが持つ意味と使い方
まずは”whom”が持つ意味と使い方について確認しましょう。
“whom”は役割が2つあり、下記の通りです。
- 疑問詞
- 関係代名詞
それぞれの役割が持つ意味と使い方について、例文を用いて詳しく解説します。
疑問詞
“whom”を疑問詞として使うのは、下記のように「誰が」と主語として使うのではなく、「目的語(「〜を」や「〜に」に該当する語句のこと)」として使うときです。
「昨日誰と一緒にいたの?」
「これは誰についての伝記ですか?」
英語の例文で確認しましょう。
昨晩は誰に会ったの?
Whom did you talk with in the café?
カフェで誰と一緒に話をしていたの?
関係代名詞
つづいて関係代名詞の”whom”ですが、これは「目的格」です。
関係代名詞とは、2つの文章を1つの文章にするための接着剤のような役割を果たします。
2つの文章を1つの英文にする際に、同じ内容を指す語句を省略します。
その省略する語が「人」かつ「目的語」の場合、”whom”を使うのです。
例文を確認してみましょう。
その男の人は私たちの新しい先生です。私は昨日彼に会いました。
この2つの英文を関係代名詞でつないでみましょう。
2つ目の英文の”him”が”our new teacher”に該当するため、”him”を省略します。
そして、”him”は「彼を(に)」を意味する目的語であることから、ここで使用する関係代名詞は”whom”です。
上記の英文を関係代名詞を使って1文にすると、下記のようになります。
昨日私が会った男の人は、私たちの新しい先生です。
whoが持つ意味と使い方
“who”も”whom”と同様に、下記の2つの役割がありますが、使い方が異なります。
- 疑問詞
- 関係代名詞
それぞれの役割が持つ意味と使い方について、例文を用いて詳しく解説します。
疑問詞
“whom”が「目的語」の代わりに使われる疑問代名詞であるのに対して、”who”は「誰が」という主語の代わりに使われる疑問代名詞です。
下記のような使い方をします。
誰がこのグループでリーダーになりたいのですか?
「誰が」という部分は主語です。
そのため、この場合は”whom”ではなく”who”を使います。
関係代名詞
次に、関係代名詞として使われる”who”は、「主格」です。
つまり、2つの文章を1つの文にする際に、主語となっている「人」が省略される場合は”who”を使います。
例文を確認しましょう。
ステージの上に女の子が1人立っています。彼女は私の妹です。
関係代名詞を使ってこの2つの英文を1つの英文にする場合、2つ目の英文の”she”は、1つ目の英文の”A girl”を同じ内容を指すため、この語が省略されます。
そして、”she”は「彼女は」を意味する主語であることから、”she”の代わりに”who”を使うのです。
関係代名詞を使って1文にした英文を見ていきましょう。
ステージの上に立っている女の子は私の妹です。
“whom”と”who”の違い・使い分け方
前章で”who”と”whom”それぞれが持つ意味と使い方について説明しました。
ここでは、それぞれ疑問詞と関係代名詞として使う場合の違いや、使い分け方について解説します。
疑問詞の場合
疑問詞の場合は、「誰が」と動作の主体について尋ねる場合は”who”を、「誰を」「誰に」のように動作の対象をなっている人について尋ねる場合は”whom”を使うことになります。
しかし、実際には日常会話で”whom”はほとんど登場しません。
筆者もオーストラリアで生活していましたが、一度も耳にしたことはありませんでした。
“whom”と使うべき疑問文でも、”who”を代用することが一般的です。
ビジネスメールや学術論文などフォーマルな場面や書き言葉では、”whom”を使用した方が好ましいと言われています。
場面によって正しく使い分けられると良いでしょう。
関係代名詞の場合
学校の定期試験や英語の資格試験などで、関係代名詞の部分が空欄になっており、”who”または”whom”のいずれかを入れる問題をよく見かけます。
この問題の解き方のコツは関係代名詞の直後をチェックすることです。
関係代名詞の直後に「動詞」が来ている場合は”who”を、関係代名詞の直後が「主語+動詞〜」となっている場合は”whom”を入れてください。
また、関係代名詞の”who”と”whom”は省略できるかどうかという点でも異なります。
関係代名詞の”whom”は省略することができ、日常会話やカジュアルな場面では省略されることが一般的です。
それに対して、関係代名詞の”who”は省略できないため、注意してください。
【番外編】“whom”と”whose”の違い・使い分け方
“whose”も、”who” や”whom”と同様に、疑問詞と関係代名詞の2つ役割があります。
番外編として、ここでは”whom”と”whose”の違いについて見ていきましょう。
疑問詞の場合
“whose”は「誰の」を意味する語で、何かの持ち主について尋ねる際に使います。
直後に名詞を伴い、「誰の〜」という形になることが一般的です。
例文を確認しましょう。
これは誰のバッグですか?
関係代名詞の場合
関係代名詞の”whose”も「所有格」を表します。
2つの英文を1つの文章にする際に、省略される語が「〜の」に該当する場合は”whose”を使ってください。
“who”や”whom”の場合は、直前に置かれる語が「人」でなくてはいけませんでしたが、”whose”の場合は、「人」だけでなく「モノ」がくることもあります。
例文を確認しましょう。
私には友達がいます。彼の父は音楽家です。
この英文を1つの文章にする場合、”his”が省略されます。
“his”は「彼の」と所有格を意味することから、ここで使われる関係代名詞は”whose”となり、下記のようにまとめられます。
私にはお父さんが音楽家の友達がいます。
関係代名詞における“whom”と”whose”の違いは、関係代名詞の前後が「〜の…」で意味が通じるかどうかで判断します。
例文を確認しましょう。
私にはお父さんが音楽家の友達がいます。
The man whom I met yesterday is our new teacher.
私が昨日会った男の人は私たちの新しい先生です。
まずは1文目の”whose”の前後にある”friend”と”father”ですが、「友達のお父さん」と意味が通じますよね?
そのため”whose”が入ります。
それに対して2文目の場合、関係代名詞の前後にあるのは”man”と”I”ですが、「男の人の私は」となり、意味が通じません。
そのため、”whose”ではなく”whom”を使います。
“whom”を使った英語表現
最後に、下記の2つの”whom”を使った英語表現について紹介します。
- 代名詞 + of whom
- 前置詞 + whom
代名詞 + of whom
「代名詞 + of whom」は関係代名詞の一種で、文中で追加情報を伝える際に使います。
「代名詞」の部分には、”all”や”both”が入ることが多いです。
例文を確認しましょう。
マイクには2人息子がいて、2人とも医者になりました。
“both of whom”の部分が、”two sons”を指しており、「医者になった」という情報を加えています。
前置詞 + whom
関係代名詞の文章で文末が前置詞で終わる場合、前置詞を関係代名詞の前に持ってくることができます。
前置詞の種類は、下記のようにさまざまです。
- in
- with
- of
- to
- for
- from
例文で確認しましょう。
ジョージとは一緒に仕事をしたことがありますが、良い人です。
この文章は”with”が文末にきています。
もちろんこのままでも問題はありませんが、下記のように”with”を”whom”の前に移動させて書き換えることも可能です。
ジョージとは一緒に仕事をしたことがありますが、良い人です。
関係代名詞の”whom”は省略できることを説明しましたが、前置詞を”whom”の前に移動させる場合は省略できなくなるので気をつけてください。
「前置詞+whom」で覚えてもらいたい表現が1つあります。
“To whom it may concern”です。
これは、「ご担当者様」や「関係各位」を意味するフレーズで、ビジネスメールでよく見かけます。
レジュメや書類をメールで送りたいものの、担当者名が不明であるときに宛名として使うことが一般的です。
ぜひ覚えておきましょう。
“whom”と”who”の違いを理解して正しく使い分けよう
この記事では、”whom”と”who”の違いを中心に、さらには”whom”と”whose”の違いを補足的に説明しました。
それぞれ、関係代名詞と疑問詞として使われますが、下記のような違いがあります。
|
疑問文 |
関係代名詞 |
whom |
「誰を」「誰に」のように動作の対象となった人について尋ねる際に使う |
目的格で、「〜を」や「〜に」に該当する「人」を省略する際に使う |
who |
「誰が」のように動作の主体となった人について尋ねる際に使う |
主格で、「〜が」に該当する「人」を省略する際に使う |
whose |
「誰の」と持ち主を尋ねる際に使う。直後に名詞を伴う。 |
所有格で「〜の」に該当する「人」や「もの」を省略する際に使う |
関係代名詞の“whom”は省略されることが多いです。
また、疑問詞の”whom”についても、日常会話では”who”で代用されることが多いため、”whom”を耳にしたり目にしたりする機会はかなり少ないでしょう。
しかし、学校の定期試験や英語の資格試験では、これらの使い分けや区別に関する問題は頻出であることから、それぞれの違いを正しく理解するのが望ましいです。
なお、お決まりフレーズを言うだけでなく、自分の言葉で英語を話せるようになるには、 “ある練習” が必要です。
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今回は、whomのの意味と使い方ついて説明します。
日常英会話ではあまり耳にしないかもしれませんが、大切な言葉のひとつです。
避けて通れない言葉なので、しっかり覚えましょう。