「厳しい」は英語で?会話で役立つ5パターンを10分で学ぼう
このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラがネイティブの翻訳者と協力して、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。
「厳しい」って英語でどう言えばいいか分かりますか?
普段は意識していないかもしれませんが、「厳しい」という言葉には色々な意味があります。
たとえば、「山下君のお母さん、すごくしつけが厳しいのよ」と言うときと、「次の連休は遊びに行きたいけど予算が厳しいなあ」と言うときでは、「厳しい」の意味が違いますよね。
日本語では同じ「厳しい」という言葉でも、英語では「何がどう厳しいのか」によって違う言葉を使い分ける必要があります。
この記事では、「厳しい」の英語について、「法律や規則に厳格である」、「容赦がない」、「制限が厳しい」、「厳正である」、「情け容赦のない」という5つに分けて説明します。
間違った言葉を使うと誤解されたり理解してもらえなかったりするので、この記事を読んで「厳しい」の正しい使い方を覚えてください。
法律や規則に厳格である
「法律や規則が厳しい」「法律や規則を厳しく守る」という意味の英語は「strict」です。
私たちが生活する上では、大なり小なりさまざまなルールがあります。
そういったルールを厳しく行使したり守ったりすることを表す言葉です。
My mother is very strict about keeping my room tidy.
うちの母は私の部屋の整理整頓に関してとても厳しいです。
(私の部屋をキレイに維持することに関して厳しいです)
※「tidy」=こぎれいな
Japanese school rules are stricter than in the USA.
日本の学校の校則は、アメリカよりも厳しいです。
※「stricter」=「strict」の比較級(より厳しい)
People complained about the referee who was too strict with the Japanese players.
日本人選手に対して厳しすぎる審判について、みなグチっていました。
※「complain」=文句を言う
容赦がない
「容赦(ようしゃ)がない」という意味の「厳しい」の英語は「severe」です。
「severe」は、「strict」と同じぐらいよく使われます。
日本語の会話では「シビア」というカタカナ英語で耳にすることも多いですね。
発音はどちらかというと「セヴィア」に近く、「ヴィ」の部分にアクセントを置きます。
「strict」は、決めごとが「厳しい」ことを表すのに対し、「severe」は、置かれた状況が容赦なく「厳しい」ことを表します。
たとえば、天気や天災や事故の被害の厳しさ、経済状況や生活環境などの厳しさです。
People in Okinawa suffered from severe drought last month.
先月、沖縄のひとびとは厳しい干ばつに苦しみました。
※「suffer from~」=~の害を受ける、「drought」=干ばつ
また、病気や症状、痛みや苦しみの「厳しさ」も「severe」を使って表します。
His cancer was already at a severe stage when he was taken to the hospital.
病院に連れて行かれたときには、彼のガンはすでに厳しい進行状況でした。
また、批判や意見など、人の意見の厳しさにも使われます。
The movie received many severe criticisms.
映画は厳しい批判を受けました。
制限が厳しい
「制限が厳しい」という意味の英語は「tight」です。
「tight」という言葉は、ヒモをきつく縛ったり、強く抱きしめたりするときによく使われますが、「制限が厳しい」という意味もあります。
カタカナ英語で「タイトなスケジュール」と言ったりしますよね。
時間や予算や条件など、与えられた状況が制限されていて「厳しい」と感じるときに使うわけです。
「tight」は、「severe」ほど厳しくない状況で使われます。
I think we did a great job within such a tight budget.
こんなに厳しい予算内で、みんなよくやったと思います。
(すばらしい仕事をしたと思います)
※「budget」=予算
I declined the offer because I felt the overall conditions were too tight.
私は、全体的な条件が厳しいと思ったので、申し出を断りました。
※「decline」=断る、「offer」=申し出、「overall」=全体的な
Thank you for helping me in your tight time frame.
厳しい時間枠なのに、助けてくれてありがとうございます。
※「time frame」=ある仕事に要する時間
「tight」が表す「厳しさ」は、工夫したり努力したりすればなんとかなる「厳しさ」に使われることが多いです。
堅苦しい・融通が利かない
「堅苦しい・融通が利かない」という意味の「厳しい」の英語は「rigid」です。
「rigid」が表す厳しさには、やや理不尽さや意固地な性質があります。
重箱の隅をつつくような陰険な人や、意味もなく規則を強要してくる人の性格を表すのに、ぴったりな言葉です。
I had lunch at a curry restaurant. It is famous for its rigid chef who never allows you to drink water while eating.
私は、カレー屋さんでランチを食べました。そのカレー屋は、食事中に水を飲ませない厳しいシェフがいるので有名なんですよ。
※「famous」=有名な、「allow + 人 + to~」=人が~するのを許す
Our accounting manager is so rigid that nobody gets reimbursements for expenses.
うちの経理部長は厳しすぎるので、誰も経費を精算することができません。
※「accounting」=経理、「reimbursement」=(費用などの)返済、「expense」=経費
よく出てくるから覚えといてや。
He is so tall that he can touch the ceiling.
彼はとても背が高いから、天井に触れることができます。
You may find our company rules quite rigid first, but I’m sure you’ll soon get used to it.
最初は、うちの社則はすごく厳しく感じるかもしれませんが、すぐに慣れると思いますよ。
※「I am sure~」=確実に~すると思う、「get used to~」=~に慣れる
「rigid」は、ただ「厳しい」だけではなく、その厳しさにどこか個性があったり、他とは違う特徴があったりすることを表現するときに便利な言葉なのです。
厳正である
「厳正である」という意味の「厳しい」の英語は「rigorous」です。
先ほどの「rigid」が表す「厳しさ」は、少しネガティブな印象を表していました。
これに対して「rigorous」は、「厳しさ」にどこか尊敬の念を込めたいときに使う言葉です。
なんとなくですが、「rigorous」という響きがすでに厳格な印象を持っていると思いませんか?
この言葉は、「厳しい」おかげで、色々なことがうまくいったり、秩序が保たれたりしている、ということを表現するときに便利です。
細かいことにこだわる「厳しさ」や、些細なミスさえ見落とさない「厳しさ」を表します。
The rigorous rules in Kabuki have made it one of the best preserved traditions in Japanese entertainment.
厳しい規則のもと、歌舞伎は日本の伝統的な娯楽として忠実に受け継がれてきました。
(直訳:厳しい規則は、歌舞伎を日本の娯楽における最も忠実に受け継がれた伝統の1つにしました)
※「make A B」=AをBにする、「preserve」=保存する、「tradition」=伝統
Thanks to our rigorous legal department, we found some errors in the contract before signing it.
厳しい法務部のおかげで、契約書に署名する前に、契約書の誤りを見つけることができました。
※「thanks to~」=~のおかげで、「legal」=法律の、「department」=部署、「contract」=契約
It sometimes requires rigorous attitudes to maintain the motto of our founder.
創業者のモットーを貫くには、ときには厳しい態度が要求されます。
※「attitude」=態度、「maintain」=維持する、「founder」=創業者
「厳しさ」の中にある美学に焦点を当てたいときに使うといいですよ。
情け容赦のない
最後に紹介する「厳しい」の英語は「harsh」です。
2つ目の「severe」も「容赦ない」だったので、「同じじゃないの?」と思われるかもしれませんね。
「severe」と「harsh」の違いは、「severe」がその厳しさに耐えなければならない状況にあるのに対し、「harsh」の厳しさは比較的一瞬で過ぎ去っていくことです。
厳しい一言を浴びせられたり、厳しい状況をやり過ごしたときなどに使います。
She’s so pretty but I just wish she didn’t use such harsh words in public.
彼女はあんなに美人なのに、人前で厳しい言葉を使ってしまうところが残念ね。
(直訳:公衆の面前で、そのように厳しい言葉を使わないことを望みます)
※「in public」=公衆の面前で
仮定法過去について詳しくは、下のページを読んでな。
Don’t be so harsh on your dog. Poor thing is scared of you.
そんなに犬に厳しく当たらないで。かわいそうに、怖がっているわ。
(かわいそうなもの(犬のこと)は、あなたを怖がっています)
※「poor」=かわいそうな、「be scared of~」=~を怖がる
Thank god the weather has improved. Last week was pretty harsh.
お天気が回復してよかったよ。それにしても先週は厳しかったなあ。
※「thank god~」=ありがたいことに~、「improve」=改善する
英語を自由に話せるようになるには
この記事では、「厳しい」の英語について、「法律や規則に厳格である」、「容赦がない」、「制限が厳しい」、「厳正である」、「情け容赦のない」という5つに分けて説明しました。
こんなに色々な言葉を使い分ける必要があるなんて、「英語って厳しいなぁ」と思いましたか?
英語は、世界中の人が話す言葉なので、どんな状況の「厳しさ」でも表現できるように、色々な言い方が使われているのかもしれませんね。
それだけに、うまく使いこなせるようになれば多くの人と分かり合える素敵な可能性を秘めています。
人の心を開く鍵の束を手に入れるような気持ちで、1つ1つ覚えていってくださいね。
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この記事では、例文を使って「厳しい」の色々な使い方を紹介しました。
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一緒に覚えといてな!
My mother is very strict about table manners.
母は、行儀作法にとても厳しいです。
She is very strict with her son.
彼女は、息子に対してとても厳しい。