翻訳の仕事|仕事がどんどん入ってくる専門分野の選び方
このコンテンツは、10年以上の経験を持つプロ翻訳者であるアキラがネイティブの翻訳者と協力して、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。
今日は、翻訳の勉強・仕事を始める際に、どのように専門分野をどのように選べばいいかについてお話しします。
翻訳の仕事は、英語と日本語ができればできると思いがちです。
確かに、素人翻訳者として小遣いを稼ぐくらいなら、それでも可能です。
でも、実務翻訳(産業翻訳)の仕事を本業にして生計を立てたいなら、専門分野を持つ必要があります。
この記事では、実務翻訳において「専門分野が必要な理由」「専門分野の選び方」「需要のある分野の見つけ方」「専門分野の勉強方法」について説明します。
実務翻訳(産業翻訳)とは?
一般的に「翻訳の仕事」という言葉を聞くと、映画の台詞や小説などを翻訳する「文芸翻訳」を想像しがちです。
でも、そういった文芸翻訳とは別に「実務翻訳(産業翻訳)」というジャンルの翻訳があります。
実務翻訳(産業翻訳)とは、主に企業で発生する文書を翻訳する仕事のことです。
たとえば、海外の企業とやり取りするときのビジネス文書、海外から輸入販売する電気製品のマニュアル、契約書などが実務翻訳の対象になります。
翻訳の仕事に専門分野が必要な理由
実務翻訳において継続的に仕事を受注したいなら、専門分野(つまり得意分野)を決める必要があります。
「私の専門分野は英語だ!」と言いたいところですが、プロとして仕事をするには、それとは別の専門分野が必要なのです。
なぜなら、どんなに英語が得意でも、専門知識のある人でなければ理解できない文章を正しく翻訳することはできないからです。
私の例で言えば、IT技術、機械、無線通信技術、半導体製造工程などが専門分野にあたります。
自分の得意分野(専門分野)を持つことで、得意な分野の仕事だけを受注できるようになるので、いくつものメリットがあります。
- 仕事の品質を上げられる。
- 翻訳にかかる時間を短縮できる(量をこなせる)。
- ライバルが少なくなる。
- 仕事の単価が高くなる。
- (得意分野なので)安心して新規案件を受注できる。
- 自分の仕事に自信をもって納品できる。
- (いい仕事をすれば)継続的に仕事の依頼がある。
逆に専門分野がなければ、「不得意な分野の仕事を依頼される可能性がある」「高い品質を維持するのが難しい」「調査に時間がかかるので量をこなせない」「ライバルが多いので競争が激しくなる」「単価が低くなる」などのデメリットがあります。
僕も文系出身(英語専攻)だから、最初は専門分野はなかった。
専門分野の知識はすべて独学して身に付けた。
専門分野の選び方
ここまで読めば、翻訳者にとって専門分野を持つことが大切ということを理解していただけたと思います。
それでは、専門分野はどのように選べばいいのでしょうか?
まずは、実務翻訳の仕事にはどんな分野があるのかをインターネットで調べてみてください。
Googleで「翻訳会社 取扱分野」などのキーワードで検索すると、翻訳会社のウェブサイトで取扱分野を確認することができます。
翻訳会社によって取扱分野が違うので、複数の翻訳会社をチェックすることをおすすめします。
そして、見つかった分野の中から自分に合ったものを選びます。
<翻訳の専門分野の例>
https://www.naiway.jp/より
一番のおすすめは、仕事や学歴と一貫性のある分野を選ぶことです。
たとえば、IT技術者の経験があるならIT翻訳、大学で心理学を学んだなら心理学という具合です。
仕事や学歴と一貫性のある分野なら、翻訳の勉強だけすれば翻訳の仕事を始めることができます。
そういった分野がない場合は、興味を持って勉強できそうで、ある程度の需要がありそうな分野をおすすめします。
私の場合は、コンピュータや機械が好きだったので、最初はコンピュータから始めて、その後、機械の勉強をしました。
私は文系出身で、翻訳の勉強を始める前は、Word、Excel、PowerPointが使えるくらいのITの知識しかありませんでした。
でも、勉強することで、これらを専門分野として翻訳の仕事ができるようになりました。
翻訳の需要のある分野の見つけ方
こうして選んだ分野に需要があるかどうかは判断が難しいところです。
ただ、あまり特殊な分野や範囲の狭い分野は避けた方が安全です。
たとえば、特定のプログラミング言語(Javaなど)だけを専門分野に選んでしまうと、範囲が狭すぎて仕事があまりない可能性があります。
また、将来的にその分野が廃れてしまった場合、仕事がなくなって困ることになります。
ですので、IT関連の翻訳をするなら、ソフトウェア全般を専門分野として選ぶなど、もっと広い範囲を選ぶのがおすすめです。
企業で発生した文書を翻訳するのが基本ですので、企業で書類がたくさん発生しそうな分野が狙いどころです。
どの分野を選べばいいのかイメージできない場合は、とりあえず翻訳の勉強をしながら、時間をかけて専門分野について考えてもかまいません。
また、とりあえず「IT分野の翻訳をする」など仮の専門分野を決めておいて、後で変更してもかまいません。
専門分野は、一度決めたら変更できないわけではありませんし、後で追加することもできます。
あまり考え過ぎずに、興味のある分野から選んでもいいと思います。
専門分野の勉強方法
翻訳の勉強に加えて専門分野も勉強するのは大変に思えるかもしれません。
でも、翻訳の仕事をするために必要なのは「文章を正しく読み書きするための知識」であって「研究開発するための知識」ではありません。
ですので、技術者や研究者ほど深い知識はなくても大丈夫です。
そうした知識は本を読むことで身に付けられるので、大学や職場で専門的な分野の経験がなくても翻訳の仕事を始めることはできます。
まずは入門書から読み始めて、少しずつ難しい本へとステップアップしていきましょう。
翻訳のキモを短期間に学ぶには?
大手の書店やamazon.comなら翻訳入門のような書籍が見つかるので、自分で独学を始めることもできます。
でも、翻訳者として仕事を始めるためには、学ぶべきことがたくさんあるため、本当に必要なことだけに絞って勉強しなければ、仕事ができるまでに何年もかかってしまいます。
逆に言えば、独学だと3年かかることでも、必要なことだけに集中すれば1年で達成することもできます。
翻訳者になるためには、どのような勉強をすればいいのか無料のメール講座で詳しく説明しています。
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