仮定法過去とは?英会話で使える必須の6パターンを説明します。
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こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。
今回は、仮定法過去の使い方について説明します。
仮定法過去とは、「もし私が億万長者だったらなあ」みたいに、現在の事実に反することを仮定する表現のことです。
ひょっとしたら受験英語で苦しめられた経験から「仮定法過去は難しい」というイメージがあるかもしれませんね。
でも、日常会話でよく使われるので、仮定法過去を知らなければネイティブの英語を聞いたときに「何となく意味は分かるけれど、正確には理解できない」という状態になります。
だから、しっかりと覚えておく必要があります。
この記事では、仮定法過去の使い方を6つのパターンに分けて15の例文を使って説明します。
パターンを覚えるだけで英会話で使えるので、この機会にしっかり読んで覚えてしまってください。
目次
仮定法過去とは
仮定法過去とは 、現在の事実に反することを「もし~なら」という形で仮定する手法のことです。
仮定法過去の基本的な形は以下のとおりです。
もし~なら、・・・だろうに。
If + 主語 + were~, 主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形
もし~なら、・・・だろうに。
仮定法過去では、現在のことを話しているにもかかわらず、過去形で表現します。
以下に仮定法過去の例文を紹介します。
If I had a million dollars, I would buy a new house.
もし100万ドルを持っていたら、新しい家を買うだろうに。
上の英文では、実際には100万ドルを持っていないので、新しい家を買えないということが分かります。
上の英文を仮定法過去を使わずに表現すると、以下のようになります。
Because I don't have a million dollars, I cannot buy a new house.
100万ドルを持っていないので、新しい家を買うことはできません。
次は、be動詞を使う例文を紹介します。
If I were 10 years younger, I would run for president.
もし私が10歳若かったら、大統領に立候補するだろうに。
※「run for~」=~に立候補する、「president」=大統領
上記のように、If節でbe動詞を使う場合は、主語が何であろうとbe動詞は「were」を使います。
ただし、口語では「If I was~」という表現もよく使われます。
たとえば、
I would buy a new house.
(もし条件が満たされているなら)新しい家を買うだろうに。
という具合。
実際には、条件が満たされていないから家は買わないってこと。
仮定法過去の例文と慣用表現
ここでは、日常会話でよく使われる仮定法過去の例文と慣用表現を紹介します。
~だったらいいのに(I wish~ )
「~だったらいいのになあ」と事実に反することを願望するときは、「I wish~」を使います。
「I wish~」の英文は、以下の形で使います。
I wish + 主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形
I wish + 主語 + were~
文法的には「I wish that + 主語 + 動詞~」のようにthat節を使う英文なのですが「that」は常に省略されます。
I wish she loved me.
彼女が私を愛してくれたらいいのになあ。
I wish I could do it.
それができたらいいのになあ。
I wish my parents were wealthy.
親がお金持ちだったらいいのに。
~でさえあればなあ(If only~)
「~でさえあればなあ」という願望を言いたいときは、「if only~」を使います。
「if only~」の英文は、以下の形で使います。
If only + 主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形
以下に例文をあげます。
If only I knew her name.
彼女の名前さえ知っていればなあ。
If only I could have another chance.
もう1度、チャンスがあればなあ。
まるで~であるかのように(as if~)
「まるで~であるかのように」と言いたいときは、「as if~」を使います。
「as if~」の英文は、以下の形で使います。
as if + 主語 + were~
「as if~」の英文は、「本当はそうでないのだけれど、あたかも~のように」という意味を表すことができます。
以下に例文を紹介します。
You talk as if you knew everything.
あなたは、何でも知っているかのように話しますね。
She behaves as if she were a baby.
彼女は、まるで赤ちゃんのように振る舞います。
※「behave」=振る舞う
もう~してもいいころだ(It's time~)
「もう~してもいいころだ(だけど、まだしていない」というときは、「It's time~」を使います。
「It's time~」 の英文は、以下の形で使います。
※「time」の前に「about」や「high」が付くこともありますが、意味はほぼ同じです。
以下に例文を紹介します。
It's time you went to bed.
もう寝る時間ですよ。
(ベッドに行く時間ですよ)
上の英文では、「もう寝る時間だけど、まだ寝ていない。早く寝なさい」という意味が伝わります。
批難の強さとしては、「It's time~」が一番弱くて、「It's about time~」 、「It's high time~」の順に強くなる。
つまり、一番強い「It's high time~」だと、「もうとっくに~しているはずの時間でしょ」というイメージかな。
なお、仮定法を使わずに表現するには、以下のようにto不定詞を使います。
It's time for you to go to bed.
もう寝る時間ですよ。
「もし~がなければ(If it were not for~)」
「もし~がなければ(実際はある)」と言うには、「If it were not for~」を使います。
以下のように「~」の部分には名詞が入ります。
If it were not for the tall building, I could see the beautiful moon.
高いビルがなければ、キレイな月が見えるのになあ。
If it were not for your help, I could not run this business.
あなたの助けがなければ、私はこの事業を営むことができません。
Without your help, I could not run this business.
あなたの助けがなければ、私はこの事業を営むことができません。
でも、両方とも覚えときや。
仮定法過去の疑問文の作り方
仮定法過去を疑問文にするのは簡単です。
一般的な助動詞(can/willなど)を使う英文と同じように、助動詞を主語の前に移動するだけです。
たとえば、以下の仮定法過去の英文なら、
If I had a million dollars, I would buy a new house.
もし100万ドルを持っていたら、新しい家を買うだろうに。
以下のように仮定法過去の疑問文に変えることができます。
If you had a million dollars, would you buy a new house.
もし100万ドルを持っていたら、新しい家を買いますか。
その他の仮定法
仮定法には、仮定法過去だけでなく、仮定法現在、仮定法過去完了、仮定法未来など、他の用法があります。
ここでは、これらの用法を紹介します。
仮定法現在とは?例文を紹介する
仮定法現在とは、「suggest」や「request」など提案や要求をする英文のthat節で、常に動詞の原形を使う表現のことです。
言葉で説明しても分かりにくいので、以下に仮定法現在の例文を紹介します。
My teacher suggested that my son study math at university.
先生は、息子が大学で数学を勉強することを提案しました。
that節:that my son study math at university
上の英文では、主節の動詞が「suggested」であることから過去のことを語っていることが分かります。
通常であれば、that節内の動詞である「study」は、主節の時制に合わせて過去形の「studied」になるはずです(時制の一致)。
でも、仮定法現在の英文では、that節内の動詞は原形になります。
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仮定法過去完了とは?例文を紹介する
「仮定法過去」に似たものに「仮定法過去完了」があります。
仮定法過去と仮定法過去完了の違いは、現在のことを話しているか、過去のことを話しているかです。
仮定法過去:現在の事実に反することを「もし~なら」という形で仮定する。
例文)If I had a million dollars, I would buy a new house.
もし100万ドルを持っていたら、新しい家を買うだろうに。
仮定法過去完了:過去の事実に反することを「もし~なら」という形で仮定する。
例文)
If I had asked her out, she would have said yes.
もし彼女をデートに誘っていたら、彼女は「はい」と答えていただろうに。
仮定法過去完了は、「~するべきだったのに(しなかった)」や「~していただろうに(しなかった)」など、過去の事実に反することを表現するときに使います。
仮定法未来とは?
仮定法未来とは、「万が一、私が遅刻したら、晩ご飯は私のおごりよ」など、まだ起きていない未来のことを示す表現です。
特に、実現する可能性が低いことによく使われます。
以下に仮定法未来の例文を1つ紹介します。
If Mr. Anderson should call me, tell him that I will call him back.
万が一アンダーソンさんが電話をかけてきたら、折り返し電話すると伝えてください。
上の英文では、「アンダーソンさんが電話をかけてくる可能性は低いけれど、ひょっとしたら電話をかけてくるかもしれない」という可能性の低さを表すために、仮定法未来の「should」が使われています。
もし、電話をかけてくる可能性が十分にある場合であれば、以下のように「should」なしで言うことができます。
If Mr. Anderson calls me, tell him that I will call him back.
アンダーソンさんが電話をかけてきたら、折り返し電話すると伝えてください。
英語を自由に話せるようになる勉強法
この記事では、仮定法過去の使い方について説明しました。
仮定法は日常会話でよく使われるので、この記事を読んでしっかり覚えてください。
ただし、文法を覚えただけでは英語を話せるようにはなりません。
英語を話せるようになるには、そのための専用の勉強が必要です。
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