先日、私が主催する翻訳講座の説明会に参加された方から、こんな質問をいただきました。
「翻訳者として活躍するために、必須の資質はなんですか?」
世間一般では、語学のプロ=頭が良くて特別な経歴を持つ人、というイメージがあるかもしれません。
しかし、私の答えは少し違います。
翻訳者に本当に必要な資質。それは、
- 知能指数(IQ)が高いこと
- 高学歴であること
- 何かの専門的知識を持っていること
……ではないのです。
本当に不可欠なのは、次の3つ。
- コツコツと積み重ねる習慣があること
- 責任感があること
- 謙虚であること
今回は、なぜこれらが重要なのかをお話しします。
1. コツコツと積み重ねる習慣があること
「これで一発当ててやろう!」という一発逆転思考の人や、いい加減な性格の人は、翻訳には向いていません。
なぜなら、地道な学びをコツコツと積み重ねることができないからです。
……というより、そういう思考の人は、翻訳に限らずほとんどの仕事に向いていません。
日々の地味な努力の延長線上にしか、プロとしての成功はないのです。
2. 責任感があること
これについては、言うまでもありませんよね。
いい加減な仕事をしていたら、当然ですが次の依頼は来なくなってしまいます。
「これくらいでいいや」と妥協せず、毎回の仕事に全力で取り組む責任感が絶対に必要です。
3. 謙虚であること
新しいことを学び、吸収していくうえで、謙虚さは必須の要素です。
特に、素晴らしい学歴や職歴をお持ちの方ほど注意が必要です。
過去のプライドが新しい学びの妨げになってしまうことがあるからです。
翻訳の世界に挑戦するなら、過去の偉業はすべて忘れてしまう方がいい、と私は思っています。
「ベース」がなければ、宝の持ち腐れ
勘違いしないでいただきたいのは、知能指数が高くて、高学歴で、専門知識を持っている人は、「何もない人よりは有利になる」という事実です。それは間違いありません。
でも、ベースとなる以下の3つの資質がなければ、その優れた頭脳も知識も、何一つ役に立ちません。
まさに宝の持ち腐れになってしまいます。
- コツコツと積み重ねる習慣
- 責任感
- 謙虚さ
逆を言えば、たとえ知能も学歴も平均的で、現時点でこれといった専門知識がない人であっても、この3つさえあれば、コツコツと学びを積み重ねて翻訳の仕事ができるようになります。
これから翻訳を目指す方は、まずはこの「3つの土台」を自分の中に育てることから始めてみてください。