英語を学ぶにあたって、「もう何年も英語を勉強していないから、最初からやり直しだろうな……」
そんな不安を感じている人は少なくありません。
しかし、実際には一度身につけた英語は、思っているほど簡単には消えてしまいません。
ブランクがあっても、勉強を再開すれば意外なほど短期間で感覚を取り戻せます。
その理由を説明するときによく思い出すのが、「マッスルメモリー」という考え方です。
マッスルメモリーとは?
マッスルメモリーは筋トレの世界でよく使われる言葉です。
長期間トレーニングを休んで筋肉が落ちてしまっても、再びトレーニングを始めると、初めて筋トレをする人よりも短期間で元の筋肉量に戻ることを表す言葉です。
その仕組みについてはさまざまな研究がありますが、「一度鍛えた体は以前の状態を取り戻しやすい」という現象は、多くのトレーニング経験者が実感しています。
英語学習にも似たことが起こる
英語学習でも、これとよく似たことが起こります。
高校や大学で熱心に英語を勉強したものの、就職や子育てなどで英語から何年も離れてしまう人は少なくありません。
そして、久しぶりに英語に触れると、
「単語も文法もほとんど忘れてしまった」
と感じることがあります。
しかし、実際に勉強を再開すると、
「そういえば、こんな表現だった」
「この文法、見たことがある」
という感覚が次々によみがえってきます。
つまり、完全に忘れたと思っていても、脳のどこかには記憶が残っているのです。
ゼロから学ぶより圧倒的に早い
一度学んだ内容をもう一度勉強する場合は、まったくの初心者が学ぶのとは大きく違います。
例えば、初めて学ぶ人なら1年かかる内容でも、過去に勉強したことがある人なら、1〜2か月程度で身につけられることも珍しくありません。
もちろん個人差はありますが、「思っていたより早く戻った」と感じる人は非常に多いです。
これは、新しく覚えるというより、眠っていた記憶を呼び起こしているからです。
学び直しにはもう一つ大きなメリットがある
さらに、学び直しには大きなメリットがあります。
それは、自然と「復習」になることです。
学習では、新しいことを覚えるよりも、繰り返し復習するほうが記憶の定着に効果的だと言われています。
そのため、一度学んだ内容を学び直すことで、以前よりも深く理解できたり、忘れにくくなったりします。
ブランクは、決して無駄な時間ではありません。
むしろ、以前よりもしっかりした英語力を身につけられる可能性もあるのです。
英語から離れていても心配はいりません
私の翻訳講座でも、
「英語から何年も離れているので、ついていけるか不安です」
という相談をいただくことがあります。
でも、一度しっかり英語を勉強した経験があるなら心配する必要はありません。
学び直しは、ゼロからのスタートではないからです。
過去に積み重ねた努力は、決して無駄にはなっていません。
もし英語や翻訳の勉強を再開したいと思っているなら、「もう忘れてしまった」と決めつけるのではなく、まずは少しだけ始めてみてください。
きっと、あなたが思っている以上のスピードで、以前の英語力を取り戻せるはずです。