中学英語が7日間でマスターできる本は、本当にマスターできるのか?
このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラがネイティブの翻訳者と協力して、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。
「中学英語ができれば英会話はできる」という話をよく聞きます。
本当だと思いますか?
もしそれが本当なら、中学英語をマスターして、早く英会話ができるようになりたいですよね。
そこで今回は、『英語初心者でもゼロからやり直せる 中学英語が7日間でマスターできる本』を紹介します。
- 「英語初心者でもゼロからやり直せる」というのは本当か?
- 「中学生が3年間で学ぶことを1週間でマスターする」ことは可能なのか?
英語のプロの視点から、この英語教材の感想・レビューを嘘偽りなくお届けします。
この教材があなたに合っているか判断する基準としてご活用ください。
なお、どの教材を買うか迷っている場合は、『【朗報】お金をかけずに英会話を独学する優れもの教材7点を紹介』もお読みください。
英会話に文法は必要なの?
『中学英語が7日間でマスターできる本』は、中学で習う文法を復習するための本です。
そこで、『中学英語が7日間でマスターできる本』についてお話しする前に、そもそも英語を話すために文法は必要なのか?についてお話しします。
英語を話せるようになるのに文法は必要ないと言う意見があります。
その根拠は、
- ネイティブの子供は文法を勉強しなくても英語を話せる。
- 小さな子供をアメリカなどの英語圏に連れて行って生活していたら、自然と英語ペラペラになった。
ということのようです。
さらに、「英語は子供と同じ方法で学ぶのがいい」と主張している英会話教材もあります。
でも、日本で生まれ育って日本で生活している私たちが、この話をそのまま受け入れるのは無理があります。
なぜなら、私たちはネイティブと同じ環境では生活できないし、人間が言語を自然に身に付けることができるのは12歳~13歳くらいまでということが研究で分かっているのです。
つまり、12歳くらいまでの子供なら文法を勉強しなくても英語を自然に身に付けられるけれど、この年齢を過ぎたら無理ということです。
実際に、海外赴任した家族では、小さな子供だけ英語ペラペラになって、両親はいつまでも英語を話せないという状況がよく起こります。
もしあなたが12歳くらいなら、文法を勉強する必要はないかもしれません。
でも、もう大人になってしまったのなら、自然に英語を身に付けることは諦めて、文法から始めてください。
文法という理屈から入った方が効率よく英語が上達します。
本当に中学英語だけで十分なの?
大人になってから英会話を身に付けるには、文法を学ぶことが大切ということは分かりました。
では、本当に中学で習う英語だけで英会話ができるのでしょうか?
日本の学校では、中学で文法を習い、高校に行くとさらに難しい文法を習います。
だから、高校レベルの文法を知らなければ英語は使いこなせないと思いがちです。
でも実際は、英語を使ってコミュニケーションを取るだけなら、中学レベルの文法を使えば十分に可能です。
中学で習う文法を使えば、日常的な会話もビジネスでの英会話もほぼすべて事足ります。
でも、「中学英語だけで英会話ができるなら、どうして高校で難しい英文法を習う必要があるんだろう?」と思うかもしれないですね。
高校で習う英文法は、英字新聞や難しい本を読むときに大いに役に立ちます。
つまり・・・
英字新聞や書籍:高校レベルの文法力が必要
ですので、とにかく日常会話や仕事のやり取りを英語でしたいということであれば、時間をかけて難しい高校英語を勉強するより、シンプルな中学英語だけ勉強する方が効率的です。
日常的な会話だったら、中学の英文法だけで十分やで!
信じられんのやったら、洋画や海外ドラマのスクリプト(台本:script)を見てみたら分かるわ。
ホンマにシンプルな表現しか使われてないから。
中学英語が7日間でマスターできる本
では、『中学英語が7日間でマスターできる本』(小池直巳・佐藤誠司著)についてお話ししますが、最初に間違いがないように言っておきます。
『中学英語が7日間でマスターできる本』は、中学で習うレベルの英語で英会話ができるようになる本ではありません。
中学で習う文法を復習するための本です。
表紙の右下に「英語がみるみるわかる・読める・書ける・話せる」と書かれていますが、文法の勉強をしただけで、読解力や英作文力、英会話力が伸びることはありません。
文法の勉強をして身に付くのは、あくまで文法の知識だけです。
表紙に書かれていることは宣伝文句ですので注意しましょう。
なお、この記事では「中学英語」という言葉は「中学で習う文法」という意味で使います。
教材の中身チェック
7日で中学英語をマスターする本なので、1日目に勉強する単元から7日目に勉強する単元まで、大きく7つに分けられています。
そして、1日に勉強する内容は
- STEP1「英語の文の基本」
- STEP2「複数のモノ・人を表す言い方」
- STEP3「形容詞と代名詞」
というように複数のステップに分けられています。
上に載せた目次を見れば、どのような構成なのかだいたい分かるかと思います。
すべての単元を7日で勉強しなければいけないので、1日に以下のページ数をこなす必要があります。
2日目:46ページ
3日目:24ページ
4日目:21ページ
5日目:24ページ
6日目:19ページ
7日目:30ページ
2日目は少し多いですが、だいたい1日20ページから30ページくらいですね。
「これくらいなら何とかできるかな?」という気がしないでもありません。
でも、これって教材を7つに区切っただけと違うのん?
ん!?
エヘン、オホン・・・
そこは大人の事情があるんだよ。
「3つに区切ったら、3日でマスターできる本になるんじゃないの?」とか言っちゃダメだよ。
『中学英語が7日間でマスターできる本』は、一般的な文法教材とは違い、漫画を使ったり会話形式で説明するなど工夫されています。
それで文法が簡単になるわけではありませんが、一般的な文法教材はどうも苦手という人にとっては、この方が取っつきやすいのではないでしょうか。
本当に中学英語を7日でマスターできるのか?
「本当に中学英語を7日でマスターできるのか?」というのが一番気になるところではないかと思います。
結論を言うと、中学で習った文法をある程度覚えている人が復習に使うなら問題なく対応できると思います。
説明を読みながら「ああ、そうだったな」と記憶を呼び覚ますのには、それほど時間はかからないからです。
でも、中学のときに習った英語をまったく覚えていない人や、そもそも中学生のときに英語を勉強しなかった人にとっては、かなり厳しい分量です。
なぜなら、少ないページ数に多くの情報が詰め込まれているため、ページ数はそれほど多くなくても、覚えることが多いからです。
文法を理解するだけならそれほど時間はかかりませんが、単語や文法を覚えるのには時間がかかります。
たとえば、下のページのような動詞の活用を覚えるだけでも、かなり時間がかかりますよね。
私などは、中学生のときにずいぶん苦労して覚えたのを覚えています。
もちろん、この教材が悪いから7日では無理だと言うのではなく、おそらくどんな教材を使っても、ゼロから始めて7日で中学英語をマスターするのは難しいでしょう。
学んだことを記憶に定着させるためには、繰り返し復習することが必要だからです。
まとめ
『中学英語が7日間でマスターできる本』は、ところどころに漫画を入れたり、会話形式で文法を説明するなど、文法に苦手意識がある人でも取っつきやすいように工夫された文法教材です。
説明自体も、分かりやすくまとめられています。
でも、まったくの英語初心者がゼロから始めて7日で中学英語をマスターできるかというと、それは難しいでしょう。
読むだけなら7日で十分に終わりますが、「覚える」という作業には時間がかかるからです。
もしあなたが英語の初心者で、この教材で中学英語を復習したいなら、それもいいと思います。
でも、よほど記憶力がよくない限り7日でマスターすることは難しいので、もう少し長い期間かかることを覚悟しておいてください。
なお、英会話ハイウェイでは、英語の初心者が独学で英語を話せるようになるための3ステップ勉強法を公開しています。
- これから英語を勉強する人
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ホンマに中学英語だけで英会話ができるんか?