翻訳者になるための英語の勉強法|ムダなく目標を達成する6つの要素
このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラがネイティブの翻訳者と協力して、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。
今日は、翻訳者になるための英語の勉強法についてお話しします。
私は、過去10年以上、翻訳の仕事で生計を立てています。
小遣いかせぎにちょこっと翻訳をしているのではなく、フルタイムでガッチリと翻訳の仕事をしています。
また、翻訳講座を運営して、プロ翻訳者になりたい方に学習指導をしています。
翻訳講座の受講生さんから、どんなふうに英語を勉強すればいいかという相談をよく受けるので、今、どんな勉強をしているか聞いてみると、ほとんどの人は、必要な勉強をしていなかったり、必要ないことに時間を使っていたりします。
必要なことに限定して勉強すれば、最短で翻訳者になることができます。
でも、必要ないことに時間を使っていては、何年たっても翻訳者にはなれません。
この記事では、プロ翻訳者になるための英語の勉強法についてお話しします。
しっかりと実力を付けて翻訳者になりたい方は、ぜひ最後まで読んでください。
目次
翻訳者になるための英語の勉強法
無駄を省いて効率よく翻訳者になるための英語の勉強法についてお話しします。
翻訳に必要な英語力を短期間に効率よく伸ばすには、本当に必要なことだけに勉強内容を限定することが必要です。
必要ないことをガムシャラに勉強して時間を無駄にしないようにご注意ください。
単語を覚える。
翻訳者になるには、どれくらいの単語力が必要だと思いますか?
翻訳ができるようになるには、英文をすいすい読める必要があります。
だから、ある程度の単語力が必要であることは間違いありません。
でも、翻訳の仕事はパソコンを使ってするため、知らない単語が出てきたらすぐに調べることができます。
だから、ものすごい量の単語を知っている必要はありません。
翻訳の仕事に必要な単語としては、中学英語に出てくる単語は必須ですのですべて覚えてしまいましょう。
「中学英単語ターゲット1800」など、高校受験向けの単語教材をざっと見て、知らない単語を覚えたらOKです。
高校レベルの単語には、必要なものと必要ないものが含まれています。
必要ない単語を覚えるのは時間の無駄なので、「英単語ターゲット1200」など大学受験用の単語教材で勉強する必要はありません。
それよりもTOEIC向けの単語教材を買って、通勤のときなどにパラパラめくって覚えるくらいでいいと思います。
TOEIC向けの単語教材をおすすめする理由は、以下の2点です。
- TOEICには、日常生活や仕事に必須の重要単語が出てくるので、覚えておけば翻訳の仕事でも役に立つ。
- TOEICで高得点を取れるようになれば英語力の証明になる。
後は、翻訳の勉強をしながら、よく出てくる単語を覚えていくという程度でかまいません。
なお、以下のページで単語教材を紹介していますが、使いやすい単語教材があれば他の教材でもかまいません。
⇒ 日常英会話でビシバシ使える単語教材6選!これだけ覚えたら会話は安心
文法を勉強する。
帰国子女や語学留学を経験した人の中には、「文法は分からないけど英会話ができる」という人がいます。
でも、翻訳の仕事をするには、「文法がガッチリ分かる」必要があるので、必ず文法を勉強してください。
文法を知らない人が翻訳すると、「原文の意味が何となく伝わっているけど少し違う翻訳文」ができあがります。
趣味で翻訳をするならそれでもかまいませんが、プロ翻訳者として仕事をするなら、それでは通用しません。
しっかり文法を勉強しましょう。
身に付けておくべき文法のレベルは、高校の授業で習う文法で十分です。
高校の英語の授業にはかなり高度な内容が含まれていますし、仕事をしていて分からないところがあれば、『ロイヤル英文法』などの文法書を見ればいいからです。
もし、文法に自信がない場合は、『中学英語がまるごとスッキリわかる本』などで中学で習う文法から復習することをおすすめします。
高校レベルの英文法については、書店で売られている文法教材を使ってもかまいませんが、おそらく文法嫌いの人は挫折してしまうと思います。
挫折しにくい文法教材としては、毎日送られてくるメールで少しずつ勉強できる『1年でTOEIC 900! 分かる! 解ける! 英文法!』がおすすめです。
基礎的な読解力を鍛える。
基本的な読解力を鍛えるためには、英字新聞を読むのが効果的です。
「まだ自分には英字新聞は難しい」と考えている人も、とりあえず挑戦しましょう。
そして、「読めないから読まない」のではなく「読めないから読めるようにする」という考え方に切り替えてください。
考えれば分かることですが、新聞すら読めない人に翻訳ができるわけがないですよね。
読めないなら読めるようにする必要があるのです。
読むべき英字新聞は、『The New York Times』など海外の大手新聞を読むのが理想です。
しかし、英語圏で発行されている英字新聞は難しいので『The Japan Times』など日本の英字新聞を読みます。
日本で発行されている英字新聞には、日本国内の話題が扱われているので親しみやすい上、学校で習う文法どおりに書かれているので、文法と単語の意味を知っていれば読むことができます。
最初は興味のある話題を1日に1記事だけでもいいので、毎日読む習慣を付けましょう。
このとき、同じ話題に関する記事を読むのがポイントです。
同じ話題の記事をしばらく読んでいると、よく見かける単語や表現が自然に覚えられるので、辞書を使わずにすいすい読めるようになってきます。
できれば、翻訳の仕事で専門分野にしたい話題に関する記事を読むのがおすすめです。
たとえば、ビジネス関連の翻訳をしたいなら、ビジネスに関する記事を読むという具合です。
専門分野の英文を読めるようになる。
プロ翻訳者として仕事をするためには、専門分野を持つことが必要です。
専門分野を持つことで、安定的に仕事を受注できる上に、他の翻訳者より高い料金で仕事を引き受けることができます。
私の場合は、IT、通信技術、機械、半導体製造などが専門で、主にウェブサイトやマニュアル、特許明細書などを翻訳することができます。
こうした分野では、その分野でしか使われない専門用語や表現がたくさん出てきます。
そうした表現を覚えるためには、その分野の英文をたくさん読むことが必要なのです。
たとえば、IT翻訳をしたいなら、IT関連の海外サイトをたくさん読みましょう
英英辞典を使うべきか?
英英辞典を使うメリットは、英語を英語のまま理解できるようになるということです。
たとえば、英和辞典で「comprehensive」という単語を調べると「包括的」と書かれています。
これをそのまま覚えていると、英文を読んでいて「comprehensive」という単語に出会ったときに頭の中で「包括的」と訳してから理解するという思考パターンができあがります。
一方、英英辞典で「comprehensive」を調べると「including everything」(すべてを含む)と書かれています。
これを覚えておくと、英文を読んでいて「comprehensive」という単語に出会ったときに、日本語に訳さずにそのまま理解できるようになります。
これができるようになると、英文を読むスピードが速くなる上に、英文の理解力が大幅アップします。
でも、翻訳の仕事では、「comprehensive」という単語に出会ったときに「包括的」という日本語を思い出せる必要があります。
つまり、翻訳の仕事をするには、英語を英語のまま理解できるだけではなく、英語を日本語に置き換えられる必要があるのです。
英英辞典を使って勉強すると英語力アップにつながりますが、翻訳のために勉強するなら、英和辞典も併用する必要があります。
ある程度の英語力が付いてきたら英英辞典も使ってもかまいませんが、英和辞典も併用して、英単語の日本語訳も覚えましょう。
必要のない勉強
ここでは、翻訳者になるための英語の勉強に必要ないことを紹介します。
翻訳者になるのに、以下は必要ありません。
- リスニング
- スピーキング
- TOEIC
翻訳の仕事は読み書きだけなので、リスニングとスピーキングは必要ありません。
私の過去十数年の翻訳経験では、リスニングとスピーキングが必要な仕事は2度だけでした。
一度は、仕事の内容について会議があったときです。
このときは、外国人が参加する会議だったので、話し合いが英語で行われました。
もう一度は、アメリカ人のプレゼンテーションを日本語に訳す仕事です。
このときは、プレゼン動画を見ながら翻訳する必要がありました。
しかし、これ以外にはリスニングとスピーキングが必要な仕事はまったくありません。
在宅で翻訳の仕事をする限り、リスニングとスピーキングが必要な仕事はほとんどないので、スピーキングとリスニングの勉強に時間を費やすのは無駄と言えます。
TOEICについては、賛否両論あると思います。
あまり経験のない駆け出しの翻訳者が英語力を証明するためには、TOEICスコアを提示するのが簡単です。
しかし、TOEICにはリスニングが含まれているので、TOEICで高得点を取りたければリスニングを練習する必要があります。
つまり、翻訳の仕事をするために、翻訳スキルにあまり関係ないリスニングの練習に時間を費やすことになるのです。
だから私は、翻訳者になるためにTOEICを勉強するべきかと質問されたときは、時間に余裕があればTOEICの勉強をすればいいが、必ずしも必要ないと答えています。
TOEICスコアを提示しなくても翻訳会社のトライアルを受けて、翻訳の仕事をすることができるからです。
コネなし経験ゼロからプロ翻訳者になるには
私が翻訳者の仕事で独立しようと決心したとき、翻訳の経験はゼロ、コネなしという状態でした。
でも、地道に勉強を続けた結果、翻訳者として独立して10年以上、絶え間なく仕事を受注できるようになりました。
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