翻訳者になるには|コネなし経験ゼロから独立開業までの3ステップ
このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラが、ネイティブの監修のもと、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
「翻訳者になるには、どうしたらいいのかな?」
「翻訳者には、経験や資格がなければいけないって聞いたけど本当?」
など、悩んでいませんか?
パソコンがあれば在宅でできる仕事として、翻訳の仕事は、主婦や会社員、定年退職者の間で人気があります。
でも、ネットの掲示板などで調べると、「未経験者は無理」とか「専門知識がなければなれない」などの意見が見られます。
本当でしょうか?
コネなし経験ゼロの状態で、会社勤めをしながら翻訳の勉強をして独立し、実務翻訳者として10年以上の経験を持つ筆者が、実務翻訳者になるにはどうすればいいか真実の話をお伝えします。
詳しくは、ここをクリックして確認してください。
目次
翻訳者になるには
翻訳者になるには、以下の3つの方法があります。
- 翻訳会社のトライアルに合格し、翻訳会社を通じて仕事を受注する。
- 一般企業と直接契約し、企業から直接仕事を受注する。
- ランサーズなどのクラウドソーシングサイトを通じて仕事を受注する。
2つ目の方法では、営業能力やコネが必要になるし、3つ目の方法は仕事が安定しません。
だからこの記事では、1つ目の翻訳会社と契約して翻訳者になる方法についてお話しします。
在宅翻訳者になるための流れ
今、翻訳経験もコネもない人が翻訳者として仕事をするには、以下のステップで進むことが必要です。
- 翻訳技術を身に付ける。
- 翻訳トライアルに合格する。
- 仕事を受注する。
以下に、それぞれのステップについて説明します。
翻訳技術を身に付ける
在宅翻訳者になるには、まずは翻訳技術を身に付ける必要があります。
翻訳技術は、以下の5つのスキルから成り立っています。
- 英語力
- 日本語力
- 翻訳スキル(語学的スキル)
- 専門知識
- 調査能力
私は翻訳講座を運営していますが、「翻訳者になりたい」という人のほとんどは、ある程度の「英語力」は持っているけれど他の技術を持っていません。
どんなに優れた英語力を持っていても、残り4つのスキルがなければ翻訳者として成功することはできません。
だから、バイリンガルの帰国子女でも、しっかりした翻訳技術を身に付けていなければ、ときどき簡単な仕事をするだけのアルバイト翻訳者程度にしかなれません。
(それでも「私、翻訳者です!」と言うことはできますが・・・)
逆に、海外経験がなく英会話も上手でない人が、30歳や40歳など、ある程度の年齢になってから勉強を始めても、しっかり勉強すれば翻訳者になれます。
翻訳会社のトライアルに合格して翻訳者になるには、書店で売られている本を読むなど独学しただけでは非常に難しいと言えます。
なぜなら、数学などであれば、自分で問題を解いた後に正解か不正解かを確認できますが、翻訳の場合は、自分で翻訳した後に、適切に訳せているかどうかを自分で確認することができないからです。
自分では、「完璧な翻訳文ができた!」と思っていても、客観的に見たら商品価値のない稚拙な訳文であることが多いからです。
だから、翻訳技術を身に付けるためには、翻訳技術を持った人のフィードバックを受けることが必須です。
翻訳技術を持った人のフィードバックを受けるには、翻訳の専門学校に通学するか、翻訳の通信教育講座を受けることになります。
翻訳学校や通信教育講座で勉強すれば、以下の翻訳技術を伸ばすことができます。
- 英語力
- 日本語力
- 翻訳スキル(語学的スキル)
- 専門知識
- 調査能力
ただし、専門知識は自分で勉強しなければ身に付かないので、翻訳の勉強と並行して専門知識の勉強も必要になります。
翻訳トライアルに合格する
翻訳スクールや通信講座で勉強して、ある程度の翻訳技術を身に付けたら、翻訳会社のトライアルを受験します。
翻訳トライアルは、各翻訳会社の人材募集のページに掲載されているので、各翻訳会社の指示にしたがって申し込むことになります。
一般的な翻訳トライアルの流れは、以下のとおりです。
- 一次審査として履歴書・職歴書を送る。
- 一次審査に合格したら、トライアル課題が送られてくる。
- トライアル課題に解答して提出する。
- 合否の知らせが届く。
翻訳スクールや通信講座で勉強せずに、いきなりトライアルを受けても、ほぼ確実に不合格になります。
自分ではしっかり翻訳できているつもりでも、プロの目から見ると技術不足が丸見えだからです。
翻訳トライアルに合格すると、その翻訳会社の翻訳者として登録されます。
後は、仕事の依頼が来るのを待つことになります。
仕事を受注する
翻訳トライアルに合格した後は、翻訳会社から仕事の依頼が来るのを待つことになります。
ただし、トライアルに合格したらすぐに仕事の依頼があるということはあまりありません。
翻訳会社には以前から付き合いのある翻訳者が大勢いるからです。
そういう翻訳者が忙しくて仕事ができないときや、新しい取り引き先ができて新しい翻訳者が必要なときなどに、あなたにチャンスが巡ってきます。
電話かメールで仕事の依頼が来るので、病気や冠婚葬祭など特別な理由がないかぎり引き受けましょう。
私の経験としては、最初は1日か2日でできる分量の小さな仕事が依頼されることがほとんどです。
また、最初から難しい内容の仕事を依頼されることは、ほとんどありません。
そうした小さな仕事を数回こなしていると、そのうちに大きめの仕事の依頼が来るようになります。
こうして翻訳会社との信頼関係ができたら、後は放っておいても次々と仕事の依頼が来るようになります。
翻訳者になるには資格は必要か?
翻訳者になるには資格は必要でしょうか?
翻訳トライアルの一次審査では、履歴書・職歴書を提出する必要があるので、翻訳会社に資格や学歴を知られることになります。
資格を持っていれば、履歴書の見栄えが良くなることは間違いありません。
でも、私自身は、翻訳トライアルに合格して仕事を始めたとき、TOEIC 940点は持っていましたが、「ほんやく検定」など翻訳に関係する資格は持っていませんでした。
今も翻訳に関係する資格は持っていませんし、過去十数年、一度も必要を感じたことはありません。
また、TOEIC 900点以上あれば有利に働くように思えるかもしれませんが、翻訳者であればTOEIC 900点以上の英語力を持っているのは普通なので、特に有利になることはないと思います。
私が翻訳を指導した人たちも、翻訳関係の資格もTOEICも何も持っていなくてもトライアルに合格し、仕事を始めることができています。
翻訳会社によってそれぞれ基準は違いますが、翻訳トライアルを受ける上では、資格はあまり関係ないように思います。
一方、ある程度の学力を証明するために、大学卒業などの学歴はある方が良いように思います。
しかし、私の知人には、高卒ですが翻訳者として仕事をしている人がいます。
彼は、大学の卒業資格は持っていませんが、TOEICで高得点を取って英語力を証明したようです。
恐らく、高校卒業までの資格しか持っていない人が翻訳者を志すことはあまり多くないのではないかと思います。
でも、可能性はゼロではないということをお伝えします。
翻訳者に年齢制限はあるのか?
「翻訳者にななりたいのですが、40歳でも大丈夫ですか?」
という質問をいただくことがあります。
翻訳は実力主義の世界なので、翻訳者になるのに年齢制限はありません。
実力さえあれば、40歳でも50歳でも、60歳でも翻訳者になることはできます。
以前、私の翻訳事務所で翻訳者募集の広告を出したとき、80歳を過ぎた人が応募してきました。
さすがに80歳を過ぎると、仕事の途中で体調不良などを起こして仕事を続けられなくなると困るので仕事を依頼したことはありません。
しかし、基本的に健康であれば年齢は関係ありません。
僕は、28歳のときに会社勤めをしながら翻訳の勉強を始めたし、僕の師匠は定年退職前に勉強を始めたらしい。
「翻訳者になるにはどうすればいいか」ということを検索すると、Yomiuri Onlineの発言小町のような掲示板で、書き込みがたくさん見つかる。
でも、翻訳のことを何も知らない素人がいい加減な回答をしていることが多いので、プロ翻訳者以外の意見は無視した方がいい。
翻訳者になるための勉強法
つまり、翻訳者になるには、以下の順に進める必要があるってことやな。
- 翻訳技術を身に付ける。
- 翻訳会社が実施するトライアルに合格する。
- 仕事を受注する。
そういうこと。
帰国子女かどうかなんかは、まったく関係ない。
大切なのは、勉強して翻訳技術を身に付けるってこと。
私は40歳の主婦やけど、私にも翻訳の仕事ができるかな?
ちなみに英会話力はゼロ・・・
翻訳の仕事に英会話は必要ないから、しっかり勉強すれば問題ない。
まずは、翻訳学校か通信講座で勉強することから始めたらどうや?
勉強法について詳しく知りたい場合は、以下のページから参加してな。