“won’t”の意味と使い方は?” don’t”と” will not”との違いも徹底解説
“won’t”と聞いたら、真っ先に”will の否定形”を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、”won’t”には未来形の否定文だけでなく、他にも意味や使い方があります。
また、場合によっては「”don’t”と”won’t”の違いが分からず混乱してしまう可能性もあるため、注意が必要です。
この記事では、”won’t”の3種類の意味と使い方、そして”don’t”との違いや使い分け方について詳しく解説します。
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目次
“won’t”って何?
“won’t”は、助動詞”will”の否定形です。
“do not”の短縮形は” don’t”、” are not”の短縮形は” aren’t”となることから、” will not”の短縮形を”willn’t”としてしまいたくなりがちですが、異なるため気をつけましょう。
“won’t”と”will not”に大きな違いはありませんが、強いて違いを挙げるとすれば使用する場面が異なります。
“won’t”は”will not”の略語でカジュアルな印象を与えるため、日常会話で使われることが一般的です。
それに対して、”will not”の場合は、大学のレポートやビジネスメールなどフォーマルな場面や書き言葉で使われます。
“won’t”と”want”の発音の違いは?
“won’t”と”want”の発音はカタカナで表記すると、いずれも「ウォント」のようになるため同じ発音だと思いがちですが、厳密には下記のように少し異なるので発音には注意しましょう。
※クリックしても音は出ません。
イギリスとアメリカでも微妙にそれぞれ発音が異なりますが、”won’t”の場合は「ウォウント」と”o”の部分を口をすぼめて長めに発音するのがポイントです。
それに対して、”want”は「ワント」と”a”の部分を口を大きく開きながら短く発音します。
“won’t”が持つ意味と使い方
“won’t”は助動詞”will”の否定形であることを解説しました。
“will=未来形”であるため、「〜しないでしょう」「〜するつもりはありません」という意味になることは確かなのですが、他にも下記の2つの使い方があります。
- 「どうしても〜しない」
- 「〜ではないでしょう」
ここでは、”won’t”が持つ3つの意味と使い方について例文を用いて詳しく解説します。
単純未来「〜しないでしょう」「〜するつもりはありません」
「“won’t”の意味は?」と聞かれて、この意味・使い方を真っ先に思い浮かべる人が多いでしょう。
あなたが何を言おうと、彼は考えを改めるつもりはないでしょう。
強い意思・拒絶「どうしても〜しない」
“won’t”は、「どうしても〜しようとしない」という強い意思や拒絶を表すこともあります。
専門の修理工が一生懸命修理してくれたにも関わらず、そのCDプレーヤーはどうしても作動しません。
推量「〜ではないでしょう」
助動詞の”will”には、未来形「〜だろう」「〜するつもりだ」だけでなく、推量「きっと〜だろう」という意味もあります。
そのため、”won’t”と否定にすることで、「〜ではないでしょう」と否定の推量にすることも可能です。
それは彼の好みに合っていないため、彼はきっとそのプレゼントを喜ばないでしょう。
“don’t”と”won’t”の違いは?
“don’t”と”won’t”は下記の4つの点で、異なります。
- 現在形or未来形
- 「予測」のニュアンスの有無
- 「拒絶の意思」の有無
- 人称と単複による変化の有無
ここでは、それぞれの点について詳しく解説します。
これを読めば、”don’t”と”won’t”を正しく使い分けられるようになるでしょう。
現在形or未来形
まず、「時制」が基本的に異なります。
“don’t”は現在形であるのに対して、”won’t”は未来形です。
例文を見ましょう。
私はスーパーに行きません。
I won’t go to the supermarket tomorrow.
私は明日スーパーに行くつもりはありません。
「現在形」は必ずしも「現在」だけではなく、普段の習慣的な動作を表すこともあります。
そして、この文章は習慣的な動作を指しており、現在だけでなく過去から未来までまたがって表現しているのです。
つまり、この文章は「私はいつもスーパーに行きません。」と言い換えることができます。
それに対して、“won’t”は「未来」のことだけを表現でき、この場合は「明日」という未来のことについてだけ言及しています。
「予測」のニュアンスの有無
次に、「予測」のニュアンスの有無による違いがあります。
“don’t”は「事実」だけを表す表現です。
それに対して、”won’t”は「未来」のことで、まだ起こるかわからないことを表現する時制であることから「予測」の意味が含まれています。
例文を確認しましょう。
私はテニスをするのが好きではありません。(事実)
Rachel won’t like playing tennis.
レイチェルはテニスをするのが好きではないでしょう。(予測)
「拒絶の意思」の有無
前章で、”won’t”には「強い意思・拒絶」のニュアンスがあることを説明しました。
逆に”don’t”は「物事の事実のみ」を述べます。
例文を確認してください。
メアリーは皿洗いをしません。
Mary won’t wash dishes.
メアリーはどうしても皿洗いをしようとしません。
違いはわかりますか?
どちらも皿洗いをしないメアリーについての描写ではありますが、前者がその事実を淡々と述べているのに対して、後者は「(叱ったり、注意したりしたものの)メアリーは皿洗いをしようとしない」と、話者の苛立ちや不満が垣間見えます。
人称と単複による変化の有無
現在文の否定形は”don’t”だけでなく、”doesn’t”もあり、下記のように主語によって使い分けることが必要です。
しかし、”won’t”の場合は、主語に関係なく使うことができます。
主語 | 現在の否定形 | 未来の否定形 |
I | don’t | won’t |
you | don’t | won’t |
he / she | doesn’t | won’t |
it | doesn’t | won’t |
we | don’t | won’t |
you | don’t | won’t |
they | don’t | won’t |
“won’t”を使ったフレーズ
最後に、下記の4つの”won’t”を使ったフレーズについて紹介します。
- Won’t you 〜?
- willを使った肯定文, won’t you?
- It won’t be long.
- won’t be able to 動詞の原形
便利な表現なので、日常英会話でぜひ活用してみてください。
Won’t you 〜?
“Won’t you 〜?”は、下記のような意味で使われます。
- 「〜ないですか?」「〜ではないですか?」(否定疑問文)
- 「〜しませんか?」(丁寧な提案・勧誘)
しかし、丁寧な提案や勧誘としては最近あまり使用されることがないため、否定疑問文の意味だけ使えるようにしておくと良いでしょう。
明日、私たちと一緒にビーチに行かないの?
willを使った肯定文, won’t you?
「willを使った肯定文, won’t you?」で「〜ですよね?」と相手に確認や念押しするときに使うこともできます。
このような形の疑問文を「付加疑問文」と呼びます。
しかし、”will”も”won’t”もいずれも相手の意思にグイグイ入り込んで有無を言わさない感じがするため、あまり押し付けがましくならないように言い方には十分注意を払いましょう。
あなたはアンのパーティーに参加しますよね?
It won’t be long.
バブル時代の1990年代にリリースされてミリオンヒットを飛ばし、その後EXILEと倖田來未によってカバーされた曲”WON’T BE LONG”という曲を知っていますか?
“won’t be long”は直訳すると「長くはかからない」、つまり「間もなく」や「もうすぐ」という意味です。
そして、主語に”it”をつけることで、「前述の内容や出来事まで長くはかからない」という意味になります。
日常生活でネイティブがよく使う表現であるため、使いこなせるようにしましょう。
A: ねぇ、お手洗い使いたいんだけど!
B: OK. It won’t be long. Wait a moment.
B: OK。そんなに長くはかからないよ。あと少しだけ待ってて!
won’t be able to 動詞の原形
“won’t be able to 動詞の原形”で「〜できないだろう」を意味するフレーズです。
“can”「できる」と”will”「だろう」は、それぞれ助動詞で、助動詞同士を並べることはできません。
そのため、” can”の代わりに” be able to”を使っています。
“will”の後ろには動詞の原形を伴う必要があるため、主語に関係なく”be”を使ってください。
また、” be able to”も動詞の原形を伴うことも忘れないようにしましょう。
私はこの事故を忘れることができないでしょう。トラウマになると思います。
“won’t”と”don’t”の違いを理解して正しく使い分けよう!
“won’t”には、下記の3つの意味があります。
- 「〜しないでしょう」「〜するつもりはありません」
- 「どうしても〜しない」
- 「〜ではないでしょう」
「“won’t”=”will”の否定=未来の否定」と考えてしまいがちですが、他にも意味や使い方があるのでぜひ覚えてください。
また、”won’t”と”don’t”は下記の4つの点で異なります。
- 現在形or未来形
- 「予測」のニュアンスの有無
- 「拒絶の意思」の有無
これらの違いに留意しながら、正しく使い分けられるようにしましょう。
なお、お決まりフレーズを言うだけでなく、自分の言葉で英語を話せるようになるには、 “ある練習” が必要です。
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今回は、won'tの意味と使い方についてお話しします。
中学英語で習う表現ですが、正しく発音しないと完全に誤解されるなど重要なポイントがいくつかあります。
ぜひ最後まで読んで、正しい使い方を覚えてください。