TOEFLとIELTSはどっちが簡単?どっちを受験するべき?徹底比較
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今日は、オーストラリアでモナッシュ大学院を卒業し、オーストラリア在住のYuiさんが、TOEFLとIELTSはどっちが簡単か?どっちを受験するべきか?について教えてくれます。
「TOEFLとIELTSはどっちがいいの?」と悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてください。
TOEFLとIELTSは、海外の大学または大学院に留学する際に必要な英語試験です。
「TOEFLとIELTSって何が違うの?」
「TOEFLとIELTSってどっちが簡単?」
「TOEFLとIELTSのどっちを受験すべき?」
これらはTOEFLまたはIELTS受験者からよく聞かれる質問です。
そこで、この記事ではIELTSとTOEFLの違いを徹底比較し、それぞれの試験に向いている人の特徴についてご紹介します。
読み終わる頃には、ご自身がどちらの試験に向いているのかが分かるでしょう。
TOEFLとIELTSの試験時間と問題数
TOEFLとIELTSの試験時間と問題数は下記の通りです。
TOEFL
TOEFLの問題数は個人差があり、試験時間はおよそ3時間です。
セクション |
問題数 |
試験時間 |
リーディング |
36-70問 |
54-72分 |
リスニング |
34-51問 |
41-57分 |
休憩 |
– |
10分 |
スピーキング |
4問 |
17分 |
ライティング |
2問 |
50分 |
IELTS
IELTSはTOEFLとは異なり、問題数に個人差はなく、試験時間は171-174分です。
TOEFLとIELTSの違い
つづいて、TOEFLとIELTSの試験内容についてセクションごとに詳しく違いを見ていきましょう。
リーディング
TOEFL | IELTS |
アカデミックで専門的な内容の英文が3-4題 各英文600-700語程度 | 雑誌や新聞の記事など大衆的な内容の英文が3題で、それぞれ設問が10-15問ある 穴埋め問題やYes / Noクエスチョンなどの問題がある各英文900語程度 |
TOEFLのリーディングの試験は、アカデミックで非常に高度で専門的な英文が使用されているため難易度が高いです。
しかし、4択の選択問題なので適当に答えを選んでも正解できる可能性があります。
IELTSの場合は、より日常生活に即した英文が題材として使用されているので読みやすいですが、TOEFLよりも英文が長いため速読力が必要です。
また、解答も選択問題もありますが、記述問題もあるためきちんと英文を理解していないと正解できません。
リスニング
TOEFL | IELTS |
大学の講義や授業内のディスカッションなどがテーマの問題が4-7題 | 日常会話などがテーマになった問題が40問 選択式や穴埋め問題がある |
TOEFLのリスニングは、大学の講義といったアカデミックでハイレベルな内容ではありますが、英文をすべて聞き取ってから解答する形式で、かつ選択式なので大まかな内容が掴めていれば正解できる可能性があるでしょう。
IELTSのリスニングは、日常会話など大衆的で取り組みやすい内容であると言えますが、音声を聞きながら解答していく必要があります。
また、英語のスペリングを問う問題もあるため、単語のスペリングを正確に覚えておかなければなりません。
ライティング
TOEFL | IELTS |
2問出題 1題は読解と聞き取りをした後に20分で150-220語で要約を書く総合問題 もう1題は与えられたトピックについて30分で300語以上で意見を述べる問題 | 2題出題 1題は与えられた表やグラフが示す内容を150語以上で説明する もう1題は、ある議論や討論に関して自分の意見を250語以上で書く |
TOEFLのライティングテストはパソコンにタイピングします。
そのため間違いも修正しやすい点がメリットです。
しかし、試験時間に対する指定語数がTOEFLの方が多いため、スピーディーなタイピングが求められるでしょう。
そして上記の表にもあるように、リスニング力とリーディング力も問う総合問題があるため、より難しいと言えます。
IELTSは試験時間に対する指定語数がTOEFLよりは少ないですが、手書きで記述する必要がある点を忘れてはいけません。
また、手書きの場合は、もし間違えてしまうと、それまでに書いた英文をすべて消す必要が出てくる可能性もあることを考慮した方が良いでしょう。
TOEFLのように総合問題の出題はないため、試験問題のレベルとしてはTOEFLより易しいと言えます。
スピーキング
TOEFL | IELTS |
コンピュータに向かって話しかける 2種類の問題がある 1問は自分の経験や意見を述べる問題で、残りの3問はリスニングとリーディングの総合問題 | 面接官と対面で実施する 3つのパートに分かれており、最初は自己紹介のようなアイスブレイク、2番目はトピックカードが配布され、1分で準備した後、2分間でスピーチする。その後、1-2問ほど質問される。 そして最後はトピックカードに基づいた内容に関して4-5分ほどのディスカッションを行う |
TOEFLのスピーキングテストはコンピュータに話しかける形式です。
そして、文章を読み、音声を聞いてから口頭で回答する問題が2問、音声を聞き、その内容を要約する問題が1問出題されるため、リーディング力とリスニング力も試される試験で難易度が高いと言えます。
それに対してIELTSのスピーキングでは、実際に面接官と対面で試験を実施するため、問題が聞き取れなかったら聞き返すことができる点が安心です。
TOEFLとIELTSの比較
つづいて、下記の項目でIELTSとTOEFLの違いについて比較していきます。
- 受験料
- 試験会場
- 年間受験日数
- 試験形式
受験料
TOEFLの受験料はアメリカドルで245ドルです。
それに対してIELTSの場合は、コンピュータ形式は26,400円、そしてペーパー形式は25,380円です。
為替のレートによっても異なりますが、現段階では受験料についてはIELTSの方が安いと言えます。
試験会場
下記の表はそれぞれの試験の試験会場を示したものです。
試験 | 会場 |
TOEFL | 北海道、宮城、秋田、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、山梨、東京、石川、静岡、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、広島、高知、福岡、宮崎、鹿児島、熊本、沖縄 |
IELTS | 北海道、宮城、東京、静岡、大阪、京都、岡山、福岡、沖縄 |
上記を比較すると、TOEFLの方が圧倒的に会場数が多いため受験しやすいと言えます。
いずれの試験もおよそ3時間かかります。
受験料も非常に高い試験であるため、自宅の近くで受験することができないと、試験会場付近に宿泊して受験に臨むことになり、身体的にも経済的にも大きな負担がかかるでしょう。
年間受験日数
TOEFLの場合は年間で50日近くの受験日を設定しています。
IELTSは、試験会場によって受験日が異なりますが、年間でおよそ35日ほど受験日を設けています。
受験日の多さで比較すると、TOEFLの方が受験しやすいと言えます。
試験形式
TOEFLはコンピュータでの受験になります。
しかし、全てのセクションにおいてメモを取ることが認められています。
そしてリーディングとリスニングは選択式です。
それに対してIELTSの場合は、ペーパー形式とコンピュータ形式の2択で、どちらか選べます。
ご自分が得意な形式を選べるという点ではIELTSの方が良いでしょう。
しかし、TOEFLと異なり、IELTSの試験は記述式です。
正確にスペリングが書ける必要があるというデメリットがあります。
TOEFLとIELTSのスコア換算表
次にTOEFLとIELTSのスコアについて比較します。
TOEFLとIELTSのスコアの算出方法
まずはそれぞれの試験のスコアの算出方法についてご紹介します。
TOEFLはそれぞれのセクションが30点の計120点の試験です。
スコアは1点刻みで算出されます。
IELTSの場合はそれぞれのセクションを9.0点満点で算出し、それぞれのスコアは0.5点刻みです。
そして各セクションのスコアを平均したものをオーバーオールで算出します。
IELTSの方がスコアが取りやすいです。
それはオーバーオールのスコアが切り上げになるケースがあるからです。
下記の例をご覧ください。
受験者Aさんの例
リーディング:5.0
ライティング:5.5
スピーキング:5.0
リスニング:5.5
受験者Aさんが各セクションでこのようなスコアを取った場合、オーバーオールのスコアはそれぞれのスコアを足して、4で割ります。
この場合、5.25となりますね。0.5点刻みのテストなのですが、Aさんのオーバーオールのスコアはどうなるのでしょうか?
Aさんのオーバーオールのスコアは5.5となります。
IELTSのオーバーオールの算出方法は下記のようになっており、小数点による切り上げがあるため、場合によってはハイスコアを出しやすいということです。
- 小数点以下の数が0 〜0.25未満は切り捨て
- 小数点以下が0.25以上0.75未満は0.5となる
- 小数点以下が0.75以上は切り上げ
TOEFLとIELTSのスコアの比較
下記はTOEFLとIELTSのスコア換算した表です。
TOEFLスコア(0-120) | IELTSスコア(0-9) |
118 | 9.0 |
115 | 8.5 |
110 | 8.0 |
102 | 7.5 |
94 | 7.0 |
79 | 6.5 |
60 | 6.0 |
46 | 5.5 |
35 | 5.0 |
32 | 4.5 |
0-31 | 0-4.0 |
留学先によって異なりますが、多くの大学や大学院が下記のスコアを入学の条件にしています。
TOEFL | IELTS | |
大学留学・交換留学 | 80点以上 | 5.5-6.5 |
大学院留学 | 90点以上 | 6.5以上 |
MBA留学 | 100点以上 | 7.0以上 |
TOEFLとIELTSどっちを受ければいいの?
TOEFLとIELTSにはそれぞれメリットとデメリットがあり、人によって受けやすさが異なるため、一概にどちらの試験の方が簡単とは言えません。
しかし、それぞれの試験に向き不向きがあります。
ここでは、それぞれの試験に向いている人の特徴をご紹介します。
どちらの試験を受けようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
TOEFLが向いている人の特徴
下記がTOEFL受験が向いている人の特徴です。
- アメリカやカナダの大学・大学院に留学する予定である
- コンピュータ上でリーディングやスピーキング問題に取り組むことに抵抗感がない
- タイピングのスピードに自信がある
- 周囲が少し騒がしくても集中力を維持できる
- アカデミックな内容の英文の読解や聞き取りに慣れている
TOEFLはアメリカで生まれたテストであるため、北米の大学に留学する学生を想定するための試験です。
そのため、北米に留学する予定のある人は、留学後のことを考えるとTOEFLの方が良いでしょう。
リスニングテストの音源はアメリカ英語です。
そしてTOEFLは学校の定期テストのように一斉に開始して終了するものではありません。
準備ができた受験者から順々に試験を受けていくため、自分がリーディングをやっている間に他のブースからスピーキングの声が聞こえてくるということもあります。
そのため、そのような環境でも集中力を維持できる人がおすすめです。
IELTSが向いている人の特徴
下記がIELTS受験が向いている人の特徴です。
- イギリス、オーストラリア、ニュージーランドまたはヨーロッパ圏の大学に留学する予定である
- イギリス英語に抵抗感がない
- 英単語のスペリングに自信がある
- 受験するために宿泊する必要があっても、身体的・経済的負担があまり気にならない
IELTSはイギリス、イギリス連邦、そしてヨーロッパ圏の大学に入学する留学生のために作成された試験であるため、これらの国に留学する人に向いていると言えます。
リスニングの音源はイギリス英語を中心に訛りのある英語も使用されています。
TOEFLと異なり、試験が一斉に開始して終了するため(スピーキング試験を除く)、集中力が途切れることはないでしょう。
しかし、TOEFLと比較すると受験日程や受験会場が少ないため、地方在住者は受験のために宿泊が必要になるケースもあり、身体的にも経済的にも負担になる可能性があります。
IELTSとTOEFLのそれぞれの特徴を知った上でどちらが向いているかを考えよう
TOEFLもIELTSも、いずれも海外大学や大学院に留学するために必要になる試験ですが、様々な点で大きく異なります。
どちらの試験の方が簡単で、どちらの試験を受けるべきかというのは人それぞれです。
この記事でご紹介したそれぞれの特徴を比較しながら、ご自身がどちらを受験するのかを決定する際に参考にしてみてください。
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