ネイティブが使う英語と避ける英語|自然な英語を話すポイント21選
「英会話教材には載ってるけれど、本当にこんな言い方するのかな?」
「同じような意味の表現が2つあるけど、どっちを使えばいいの?」
と迷うことはありませんか?
たとえば、「like + 動名詞」と「like to不定詞」はどちらも「~するのが好き」という意味ですが、どちらが正しいのでしょうか?
こういう表現って、英語教材には同じ意味として紹介されていても
- 実際にネイティブが使う英語表現はどっちなの?
- 微妙な意味の違いがあるんじゃないの?
- 誤解されないかな?
と気になりますよね。
英語を第2言語として話す限り、ニュアンスの間違いは避けられません。
でも、古くさくて誰も使わないような英語表現を使ったり、意味を間違えて使ったりするのは避けたいものです。
そこで、ネイティブが使う英語表現・避ける英語表現を20個紹介します。
この記事を読んでネイティブが使う英語を学び、よりネイティブに近い自然な英語を話してください。
なお、さらにネイティブっぽく見えるようになりたい場合は、『初級者でも日常会話ペラペラに見える英語フレーズ20選』を読んでください。
ネイティブの音声オーディオをプレゼントしているので、正しい発音とアクセントを学べますよ。
ネイティブが使う英語・避ける英語
ここでは『ネイティブが使う英語・避ける英語』(佐久間治著)から、ネイティブが使う英語と避ける英語を21個紹介します。
日常英会話でよく使う表現を厳選しましたので、一読しておくとネイティブとの会話がスムーズになるはずです。
21.「like + 動名詞」と「like to不定詞」の違い
学校の授業では、「like」の後ろには、動名詞を使っても「to不定詞」を使っても、同じように「~すること」という意味を表すと習います。
たとえば、
I like to play tennis.
と
I like playing tennis.
は、どちらも「私はテニスをするのが好きです」という意味です。
では、ネイティブが使う英語表現はどちらかというと、「like to不定詞」にやや軍配が上がります。
もちろん、「like +動名詞」が間違いということではありませんが、「like to不定詞」の方がネイティブによく使われます。
20.「形式主語」対「to不定詞の主語」
「to不定詞」には「~すること」という意味があるので、以下のように不定詞を主語にする英文を作れます。
To speak English is easy.
英語を話すのは簡単です。
でも、to不定詞を主語にする英文よりも、以下のように形式主語「it」を主語にする英文の方が多く使われます。
It is easy to speak English.
英語を話すのは簡単です。
19.「help + 人 +原形動詞」対「help + 人 + to不定詞」
学校の授業では「help + 人 + to不定詞」という形で「人が~するのを助ける」と習います。
でも、実際の会話や英文では、「to」を抜かして使うことの方が多くあります。
たとえば、
I'll help you to carry the bag upstairs.
カバンを2階に運ぶのを手伝いましょう。
より
I'll help you carry the bag upstairs.
カバンを2階に運ぶのを手伝いましょう。
の方が多用されます。
18.to不定詞の「to」は省略される
「~すること」という意味を表すには「to不定詞」を使うのが定番ですが、ネイティブの英語では、この「to」を使わないことがあります。
つまり、学校で習う文法どおりなら
All you have to do is to call your parents.
あなたは両親に電話をかけさえすればいい。
(あなたがするべきすべてのことは、両親に電話することです)
ですが
ネイティブが使う英語では
All you have to do is call your parents.
あなたは両親に電話をかけさえすればいい。
のように「to」が抜けてしまいます。
17.「to不定詞の主語」対「動名詞の主語」
to不定詞と動名詞は、どちらも「~こと」という意味を表します。
だから、文法的には以下のどちらの言い方でも間違いではありません。
To play tennis is a lot of fun.
テニスをすることはとても楽しいです。
Playing tennis is a lot of fun.
テニスをすることはとても楽しいです。
でも、ネイティブがよく使う英語表現は動名詞「Playing tennis~」の方です。
16.動名詞の意味上の主語は、所有格か目的格か
動名詞は名詞の一種なので、その主語は所有格が正しいと言えますが、現在ネイティブが使う英語では、目的格が多用されます。つまり、
She insisted on her husband's going there alone.
彼女は、夫がそこに一人で行くことを主張しました。
のように「her husband」を所有格にするのではなく
She insisted on her husband going there alone.
彼女は、夫がそこに一人で行くことを主張しました。
の方が一般的です。
15.「as if + 仮定法」対「as if + 現在形」
「as if~」は、事実ではないことや疑わしいことを述べるときに使う「あたかも~のように」という仮定法の表現です。
仮定法では、「as if」以下が現在のことを表す場合でも、以下の文のように過去形を使います。
She speaks as if she knew everything.
彼女は、何でも知っているかのように話します。
でも、ネイティブが使う英語では、仮定法を使わずに表現することが増えています。
She speaks as if she knows everything.
彼女は、何でも知っているかのように話します。
14.「By whom」対「Who ~by」
学校の英語では、以下の英文のように「by whom」という表現を習いますが、口語ではあまり使われません。
By whom was this letter written?
この手紙は誰によって書かれたのですか。
上記のような「By whom」の代わりに、ネイティブの口語では「who ~ by」という英語表現をよく使います。
Who was this letter written by?
この手紙は誰によって書かれたのですか。
また、「By whom」と「who ~ by」の中間的な言い方として、「Whom ~by」という言い方もあります。
Whom was this letter written by?
この手紙は誰によって書かれたのですか。
この言い方も「Who~by」に比べると使用頻度は高くありません。
13.「marry +人」対「get married to +人」
どちらも「結婚する」という意味ですが、ネイティブが使う英語表現は「marry + 人」です。
My sister married a musician.
私の姉は音楽家と結婚しました。
同じ意味で「get married to +人」を使う表現も使えますが、使用頻度は高くありません。
My sister got married to a musician.
私の姉は音楽家と結婚しました。
ただし、「marry」の後に目的語(誰と結婚したか)を言わない場合は「get married」を使います。
My sister and the musician got married.
私の姉とその音楽家は結婚しました。
12.「Can I~?」対「May I~?」
英会話教材には、「Can I~?」も「May I~?」も「~してもいいですか」と書かれているため、どちらを使えばいいのか迷うことがあります。
以下の英文は、日本語に訳すとどちらも同じ意味になります。
Can I go to the bathroom?
トイレに行ってもいいですか。
May I go to the bathroom?
トイレに行ってもいいですか。
でも、「Can I~?」はやや失礼な言い方で、「May I~?」の方が丁寧な響きがあります。
「Can I~?」の方がよく使われますが、目上の人には「May I~?」を使った方がいいでしょう。
11.「everyone」の代名詞は「they」か「he」か
「everyone」(誰も)は単数名詞なので、代名詞は「he/his/him」が正しいと学校で習いました。
Everyone knows his own weakness here.
ここでは誰もが自分の弱点を知っています。
でも、「everyone」には女性も含まれるため「he/his/him」を使うのは女性差別と考えられるため「they/them/their」を使うのが無難です。
Everyone knows their own weakness here.
ここでは誰もが自分の弱点を知っています。
10.「anyone」対「anybody」
「anyone」と「anybody」は同じ意味ですが、「anyone」の方が丁寧な響きがあります。
Anyone is welcome to the party.
どなたでもパーティーに歓迎します。
Anybody is welcome to the party.
どなたでもパーティーに歓迎します。
文章を書くときに、より多くネイティブが使う英語表現は「anyone」です。
9.関係代名詞の「that」と「which」
主格の代名詞の「that」と「which」は、どちらでも同じように使えると学校で習います。
She has a book that tells us about dogs.
彼女は、犬について教えてくれる本を持っています。
She has a book which tells us about dogs.
彼女は、犬について教えてくれる本を持っています。
これらの英語表現をネイティブが使う頻度はあまり変わらないので、どちらを使っても大丈夫です。
8.関係代名詞の「with whom」対「~with」
関係代名詞の目的格を使う英文は、同じ意味でも複数の言い方があるので、どれを使えばいいか迷うものです。
以下に、「昨日私が話した男性はジョンです」という意味の例文を使って、ネイティブがよく使う英語表現から順に紹介します。
The man I talked with yesterday was John.
これ↑が最も口語的で、ネイティブがよく使う英語です。
The man who I talked with yesterday was John.
これは文法的には間違っていますが、よく使われます。
The man with whom I talked yesterday was John.
文語的な表現です。口語ではあまり使われません。
The man whom I talked with yesterday was John.
古くさい表現です。あまり使われません。
7.「障害者」は英語で?
「障害者」を表す言葉は、時代とともに変化しています。
なぜなら、過去には普通に使われていた言葉でも、現在は差別用語と考えられることがあるからです。
今「障害者」という意味で、最もネイティブが使う英語は
the people with disabilities
障害を持つ人たち
です。
しかし、2000年ごろに私がアメリカでよく聞いたのは
the physically challenged people
肉体的に課題がある人たち
です。
「the people with disabilities」は、あまり使わない方がいいと言われました。
こういう表現は時代とともに変化するので、そのときに最も使われている言葉を使うのが無難です。
6.トイレは「toilet」か「restroom」か
トイレの英語は「toilet」だろうと思いがちですが、アメリカ英語では「toilet」は便器を意味します。
トイレを表す英語表現は、以下のようにアメリカとイギリスで大きな違いがあります。
アメリカ:restroom、bathroom
なお、トイレの使い分けについて詳しくは、以下の記事『「トイレ」は英語で?13の表現を国別・場面別に使い分ける』を読んでください。
5.パンツは「pants」か「briefs」か
以前は日本語で「パンツ」と言うと「下着」のことを指していましたが、最近は「ズボン」を指す言葉としても使われています。
さらに英語では、アメリカ英語とイギリス英語では「パンツ」「ズボン」を表す言葉が異なるので複雑です。
以下に表を載せるので、使い分けの参考にしてください。
イギリス英語 | アメリカ英語 | |
下着「パンツ」 | pants underpants |
briefs underpants |
女性用下着「パンティ」 | knickers | panties |
男女「ズボン」 | trousers | pants |
(『ネイティブが使う英語・避ける英語』176ページより)
ズボンのことをパンツって言うんやったら、ズボンの下にはくパンツは何て呼んだらええんや?
日本語で言うときは、「パンツ」の「パ」を強く言ったら下着のことで、「ツ」を強く言ったらズボンのことや。
ホンマかな?
ちなみに、アメリカでホームステイしてたとき、3歳の女の子が自分のパンツのことを「panties」と呼んでた。
大人の女性向けだけでなく、小さい女の子のパンツも「パンティー」って呼ぶんやな。
4.「My name is~」対「I'm(I am)~」
「ネイティブは『My name is~』という言い方はしない」と何かの記事で読んだことがありますが、そんなことはありません。
今でも「My name is~」という表現は使われています。
特に、公式な場で自己紹介するときや、目上の人に自己紹介するときなどは「My name is フルネーム」という表現がふさわしいと考えられます。
My name is Daniel Keyes and I am a writer.
私の名前はダニエル・キースです。私は作家です。
一方、「I'm~」という言い方は、カジュアルな場面でファーストネームを使って自己紹介するときによく使われます。
Hi, I'm John.
やあ、ジョンです。
3.「stay home」対「stay at home」
「home」という単語には「家に/ 家で」というように副詞の意味があるため、前置詞を使う必要がありません。
I stayed home until five o'clock.
私は5時まで家にいました。
でも、前置詞「at」を付けて以下のように言うこともできます。
I stayed at home until five o'clock.
私は5時まで家にいました。
どちらも正しい表現ですが、「stay home」の方がよく使われています。
2.「when」対「as」
「~とき」という意味では、「when」と「as」の両方を使えます。
意味的には大きな違いはないので、日本人が第2言語として英語を話す場合は、「when」を使う方が無難です。
なぜかというと、「when」には「~とき」という意味しかないので誤解される心配はありませんが、「as」には「~とき」以外に「~なので」など複数の意味があるため誤解される可能生があるからです。
1.「because」対「since」対「as」
「because」「since」「as」のいずれも、「~なので」という理由を説明するときに使えます。
しかし、「as」には「~とき」、「since」には「~以来」など別の意味があるため誤解される可能生があります。
誤解を避けるためには「because」を使うのが無難です。
ネイティブが使う英語・避ける英語のまとめ
何かを英語で言いたいときに、言い方が二通りあったら、どちらを使えばいいか迷いますよね。
また、英語教材に載っている表現でも、実際にネイティブが使う英語表現とネイティブが避ける英語表現があります。
日本人が第2言語として英語を話す場合、少しくらい表現を間違っても気にする必要はありませんが、どうせならネイティブが使う英語表現を使いたいですよね。
この記事で紹介したように前もってネイティブが使う英語表現を知っておくことで、迷わずにネイティブが使う英語表現を選べるようになります。
ちなみに、まだ英語を上手に話せない場合は、ニュアンスや細かい違いなんか気にせずに、どんどん英語を話した方が上達が早くなるよ。
まずは、無料メール講座で紹介している方法でスピーキングを練習して、言いたいことを言えるようになることから始めるのが近道やで!
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アメリカ留学で僕が通っていたたカレッジの先生は、会話でも「with whom」や「by whom」をよく使っていた。
本ばかり読んでいたら、話し方まで文語調になるのかな。