『毎日の英単語』の感想・レビュー|人気教材をプロの視点でチェック
どうせ英単語を覚えるなら、使う機会のない単語ではなく、毎日の会話でよく使う英単語を優先して覚えたいものです。
でも、書店に行けば英単語の教材がたくさんあって、どれがいいのか分からないですよね。
そこで今回は、毎日の会話でよく使う英単語2,000語を厳選して学べる『毎日の英単語』を紹介します。
この教材では、TOEICテストなどに出題される英単語ではなく、日常的な会話でよく使われる英単語が厳選されているので、覚えて無駄になる単語は1つも掲載されていません。
この記事では、この『毎日の英単語』について
- 教材の特徴
- この教材は誰が使うべきか
- 感想とレビュー
をお話しします。
なお、初心者から中級者までおすすめの英単語教材については、『日常英会話でビシバシ使える単語教材6選!これだけ覚えたら会話は安心』を読んでください。
目次
『毎日の英単語』に掲載されている単語
毎日の英単語には、実際に使われている英単語を使用頻度順に示した『West' General Service List』や『Bank of English』から選んだ上位2000語に加えて、高校・大学・新聞などでよく使われる英単語が掲載されています。
だから、
本書がカバーしている2000語をマスターすれば、英語ネイティブの日常会話のほぼ90%を身に付けたことになります。
(9ページより)
ネイティブの日常会話の90パーセントを身に付けたら、日常英会話では怖い物なしですね。
それに、受験用の単語教材やTOEIC対策の単語教材とは違い、日常的によく使われる英単語だけを学べるので、「せっかく覚えたのに1度も使う機会がない」というようなことがなくなります。
そうやな。
受験のときに覚えた単語なんか、今まで一度も使ったことがないものがいっぱいあるわ。
実際に中を見てみると、以下の画像に見られるように、毎日の生活で使う単語と表現だけが掲載されています。
学問的な表現は掲載されていません。
TOEIC用の英単語教材でも、500点レベルくらいの教材なら日常会話でよく使う単語が掲載されていますが、例文がビジネスよりです。
でも『毎日の英単語』では、100パーセント日常生活に密着した表現が掲載されています。
TOEICはどうでもいいので、日常英会話ができるようになりたい人には嬉しい教材です。
この教材の特徴
『毎日の英単語』が他の英単語教材と違うのは、以下の2点です。
- 記憶に残りやすいように分類されている。
- 英会話で使えるようにクラスタ単位で掲載されている。
以下に詳しく説明します。
記憶に残りやすいように分類されている。
英単語教材によっては、単語がアルファベット順、難易度順、名詞・形容詞などの品詞別に掲載されているものが多数あります。
しかし、『毎日の英単語』では、「買い物」「旅行」「病気・医療」など日常生活で出会うであろう場面ごとに分類されています。
このように日常生活に密着した形で分類することで、実際にその単語を使っている場面をイメージできるため、より記憶に定着しやすくなるためです。
英会話で使えるようにクラスタ単位で掲載されている。
すべての単語が、単語だけではなく、以下のようによく使われる言葉が前後に付属する形で掲載されています。
7時に目が覚める
wake up at 7:00
(34ページより)
この理由を著者のJames M.Vardaman氏は、以下のように説明しています。
たとえば、「歯を磨く」と言いたいとき、「歯=teeth」「磨く=brush」という単語を知っていても、brush my teethという表現でマスターしていなければ、口に出すことは難しいでしょう。teethにbrushという単語を組み合わせることは可能なのか?その場合、どのようにつなげるのか?そこまで身に付けていないと、とっさに口には出せません。「予定を調整する」と言いたいとき、「調整する=arrange」「予定=schedule」という単語をバラバラに知っていても、arrange a scheduleという表現は出てきません。
(12ページより)
これは「おっしゃるとおり!」としか言いようのない正論です。
「brush my teeth」という「まとまり」で覚えておかなければ、「clean my teeth」だっけ「brush my teeth」だっけと悩むことになります。
高校や大学の受験のときにたくさんの単語を覚えた人でも、実際に外国人と話そうとしたときに言葉が出て来なくてショックを受けた人は多いはずです(私はその一人です)。
その原因の1つは、単語を単独で覚えているために、単語の使い方が身に付いていないことです。
大学受験のために覚えた単語なんか、ぜんぜん使いこなせんかったからショックだったで。
この英単語教材をおすすめする人
『毎日の英単語』には、日常会話でよく使う英単語が最優先で掲載されていますが、「have」や「get」のような基本単語はすでに知っている前提で作られています。
だから、中学英語で出てくる単語を覚えていない人は、まずは『英単語ターゲット1800』のような中学レベルの単語を学べる教材をおすすめします。
おすすめの単語教材を紹介していますので、あわせて読んでください。
また、単語が「open a bank account(銀行口座を開く)」のようなクラスタ単位で掲載されているため、このクラスタを英文に当てはめる英語力がない人にもおすすめしません。
たとえば、ある程度の英語力を持っている人なら、以下のようにクラスタを英文に当てはめて使いこなすことができます。
彼はアメリカで銀行口座を開くことを決心しました。
まだシンプルな英文を作ることができない場合は、まずは『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』のような教材で英文法の基礎を身に付けることをおすすします。
あわせて読んでください。
ですので、『毎日の英単語』をおすすめするのは、中学2年生レベルの簡単な英語でもいいので、すでに英語で話せる人です。
それくらいの英語力を持った学習者であれば、クラスタ単位で英単語を覚えることで、表現力をモリモリ伸ばすことができます。
全体的な感想・レビュー
英語しか話せない英会話の先生や帰国子女の先生が作ったような教材とは違い、英語を学んでいる日本人が陥りやすい失敗や記憶のコツ、英会話で使える単語の覚え方など、日本人の学習者にとって重要なことを学ぶことができる良書です。
日常生活に密着した表現だけを掲載しているということも、記憶に残りやすい上に、覚えた単語を使用する頻度が高いという点で高く評価できます。
ただ1点だけ気になったのは、クラスタ単位で掲載されているということです。
すでに簡単な英会話ができる人であれば、クラスタ単位で覚えることでモリモリと表現力アップできるので『毎日の英単語』をおすすめします。
でも、まだ英語で何も話せない人は、クラスタを英文の中で使いこなすことができないため、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』のような教材で修行してから挑戦した方がいいでしょう。
まとめ
「歯=teeth」「磨く=brush」のように単語単位で覚えても、英会話ではまったく使いこなすことができません。
これは私自身も経験したことなので、確信を持って言うことができます。
『毎日の英単語』では、「brush my teeth」のように短い語句(クラスタ)単位で学ぶため、覚えた単語を会話のときに使いやすくなります。
ただし、まったく英語を話せない人だと「歯を磨かなきゃ」と言いたいときに「brush my teeth」というクラスタは分かっても、その前後に何を言えばいいか分からないことになります。
だから、ある程度は英語の基礎を覚えてから取り組むことをおすすめします。
ウェブサイトでは話せない秘密のプロジェクトを公開してるから、ぜひ参加してください。
日常英会話ができるようになりたい人やったら、無駄なく学べるってことやな。