帰国子女の英語力|バイリンガルでも苦労する理由
英会話ハイウェイでは、10年以上の経験を持つ翻訳者のアキラが、日常英会話で使う表現や勉強法、翻訳の仕事について分かりやすく説明しています。
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こんにちは!
英会話ハイウェイ運営者のアキラです。
「帰国子女は、苦労せずにバイリンガルになれるからいいなあ」
と思ったことはありませんか?
私はあります。
英語と日本語の両方ペラペラで、どちらもネイティブ発音ができるんだから、羨ましく思えるのは当然ですよね。
でも、英語に携わるようになってから何人かの帰国子女と出会い、必ずしもそうではないことがわかりました。
帰国子女の中には、英語と日本語のどちらかが中途半端だったり、どちらも中途半端な人も多いのです。
発音はネイティブと変わらないので、日常会話をしただけでは、そのことに気づくのは難しいと思います。
でも、話が少し複雑になると理解できなかったり、文章を読むのに苦戦したりすることがあるんですね。
周りの人から見たら英語も日本語も完璧なのに、本人はそうでないことを認識しているから、ストレスを感じる人もいるようです。
帰国子女の言語能力が中途半端になる理由
帰国子女の言語能力が中途半端になる原因は、「生活言語」と「学習言語」の違いにあります。
生活言語とは?
生活言語とは、日常生活レベルの言語力のことで、具体的なことを表現する能力のことです。
日常生活を通じて自然に身に付けることができ、これを身に付けたら、日常生活のコミュニケーションで困ることはなくなります。
一般的に、生活言語は1~2年ほどで身に付けられると言われています。
「家族で海外に引っ越したら子供だけすぐに英語ペラペラになった」
というのは、生活言語が身に付いたからです。
学習言語とは?
一方、学習言語とは、学習活動を通じて身に付けられる言語能力のことで、抽象的、概念的なことを理解・表現するのに必要です。
学習言語は、生活を通じて自然に身に付くものではなく、学習を通じて学ぶ必要があります。
そして、学習言語を身に付けるには5年以上かかると言われています。
つまり、私たちが学校で勉強したように、長期間にわたって、ガッチリ勉強しなければ身に付かないのです。
だから、子供のときに海外で生活していると、日本語の学習言語を身に付ける機会を逃してしまうことになりかねません。
そうならないためには、保護者がしっかりした言語教育を子供に提供する必要があります。
子供のときに海外で生活するなどしてバイリンガルになった人は、おおざっぱに
- 両方の言語とも十分な能力を有している
- 一方の言語は十分な能力を有しているが、他方は不十分
- 両方の言語とも不十分
のいずれかになります。
1ならハッピーですが、2や3(特に3)になると大人になってから苦労する可能性があります。
ネイティブ同様に会話ができるのに、仕事の書類をきちんと理解できない、なんてことになりうるからです。
だから、必ずしも「帰国子女でバイリンガル、うらやまし~」とは言えません。
長年英語を勉強しても日常英会話すらできない理由
日本で生まれ育った私達は、日本語の言語能力は十分だけど、英語の言語能力が不十分という状態です。
しかも、かなり英語を勉強しても日常英会話すら身に付きません。
その理由は、「生活言語」を身に付ける練習をせずに、「学習言語」を身に付ける勉強をしていることです。
通常、言語を身に付けるときには、生活言語の後で学習言語を身に付けるという順序です。
でも、学校の英語教育は学習言語に偏っています。
しかも、学校教育を終えた後も、その勉強法を引きずってしまうから、いつまで経っても生活言語が身に付かないわけです。
生活言語を身に付けたいなら、学習方法を変える必要があります。
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