「許す」は英語で?正しいニュアンスが伝わる6種類の動詞と例文
このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラが、ネイティブの監修のもと、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
「許してあげる」や「絶対に許さない」は英語でどう言えばいいでしょうか?
和英辞書で「許す」を調べると「forgive」「excuse」「pardon」「overlook」などが載っていて、どれを使えばいいのか分かりにくいですよね。
さらに、日本語の「許す」には「許可する」という意味もあるので、さらにややこしくなっていると思います。
そこでこの記事では、
- 「許す」という意味の4つの英語の違い
- 「許可する」という意味の2つの英語の違い
を説明します。
日常英会話でよく使う表現なので、最後まで読んで覚えてください。
正しい勉強法で学んで、最短で英語を身に付けてください。
目次
罪や失敗を許すときの英語
まずは、罪や失敗を許すときの「許す」の英語について説明します。
このタイプの「許す」は、
- 思いやりの気持ちで許す(forgive)
- 軽い罪を許す(excuse)
- 形式ばった言い方の「許す」(pardon)
- 大目に見る(overlook)
の4つに分けることができます。
思いやりの気持ちで許す(forgive)
気分を害することや失敗などに対して、怒ることを止めたり、罰を与えることを止めたりするという意味の「許す」の英語は「forgive」です。
個人的な思いやりの気持ちや同情から相手を許すというニュアンスの言葉です。
動詞の活用は「forgive-forgave-forgiven」です。
I will never forgive him for the way he treated me.
彼が私をどんなふうに扱ったか、私は彼を許しません。
I forgave her for her errors.
私は彼女の過ちを許しました。
Let's forgive and forget.
(過去のことは)許して忘れよう。
Forgive me.
許してくれ!
I forgive you.
許してあげる。
軽い罪を許す(excuse)
エチケット違犯やマナー違反などの軽い罪や無礼な態度を「許す」というときの英語は「excuse」です。
だから、通路に人が立っていて通りにくいときに、「Excuse me.」と言いながら通り抜けるのは、「ちょっと許してね」という軽く許しを請う言葉です。
You should excuse his carelessness. He is only a child.
彼の不注意を許してあげるべきです。まだ子供なのですから。
Excuse me for what I said to you the other day.
先日、あなたに言ったことを許してください。
Excuse me.
ちょっと失礼。
「Excuse me.」には、いろいろな意味がある。
たとえば
- 人の注意を引きたいときに「聞いてください」という意味。
- 通行の邪魔になっている人に丁寧に「道を空けてください」という意味。
- 用事があって少し席を離れるときに「しばらく席を空けます」という意味。
- 意図せずしてしまったことに対して「ごめんなさい」という意味。
- 相手が言ったことが聞こえなかったときに「もう一度言ってください」という意味。
日常英会話では、かなりよく使う。
形式ばった言い方の「許す」(pardon)
改まった場面で使われる表現で、失敗や無礼な行いを「許す」というときの英語は「pardon」です。
立場が上の人が下の者を「許してやる」というニュアンスがあり、「forgive」よりも形式張った表現です。
また、権限のある人が公式に許すという意味もあり「恩赦を与える」という意味でも使われます。
なお、アメリカ英語では、相手が言ったことが聞き取れなかったときに、もう一度言うように頼むときにも使われます。
Hiroshi: Pardon my ignorance, but what do you mean by Color OK?
ヒロシ:無知をお許しください。カラーOKとはどういう意味ですか。
Christine: I said Karaoke!
クリスティーン:私はカラオケって言ったのよ。
He was pardoned when the war ended.
彼は、戦争が終わったときに恩赦が与えられて釈放されました。
I beg your pardon?(Pardon?)
もう一度言ってもらえますか。
大目に見る(overlook)
失敗や無礼な振る舞いを大目に見るという意味の英語は「overlook」です。
We cannot afford to overlook his bad behavior.
私たちには、彼のひどい振る舞いを許す余裕はありません。
Please overlook my mistake this time. This will never happen again.
今回は私の過ちを許してください。こんなことは2度と起こしません。
The teacher overlooked his mistake.
先生は、彼の過ちを大目に見てくれました。
「許す」の英語は、「forgive」「excuse」「pardon」「overlook」の4つもあるのか。
使い分けが難しいな。
「許す」の英語(forgive/excuse/pardon/overlook)の違いをざっくり言うと以下のとおり。
「forgive」個人的な思いやりの気持ちや同情から相手を許す
「excuse」マナー違反などの軽い罪を許す
「pardon」形式ばった言い方で、立場が上の人が下の者を許す
「overlook」大目に見る
「許可する」という意味の「許す」の英語
日本語の「許す」には「許可する」という意味もあります。
ここでは、「許可する」の代表的な英語である「allow」と「permit」の違いが分かるように説明します。
「~させておく」(allow)
人が何かをするの邪魔せずに、自由にすることを「許す」というニュアンスの英語は「allow」です。
規則などによって許可するというニュアンスではなく、個人的な裁量で許すというニュアンスがあります。
Allow me to introduce Mr. Anderson to you.
アンダーソン氏を紹介することをお許しください(改まった言い方)。
You're not allowed to talk during the exam.
試験中に話すことは許されません。
My father didn't allow me to study abroad.
父は、私が留学することを許してくれませんでした。
Pets aren't allowed in this restaurant.
このレストランではペットは許可されていません。
正式に許可する(permit)
正式に許可を与えるという意味の「許す」の英語は「permit」です。
「allow」には、個人的な裁量で許すというニュアンスがありますが、「permit」は、規則などによって許可するというニュアンスがあります。
Cell phones are not permitted in the library.
図書館では、携帯電話は許可されていません。
Visitors are permitted to take photographs in this museum.
この博物館では、訪問者は写真を撮ることが許可されています。
I will visit her if time permits.
時間が許せば彼女の家を訪問します。
「allow」個人的な裁量で許す
「permit」規則などによって許可する
その他の表現
ここでは「許す」という単語は使わないけれど、「許す」という意味で使われる表現を紹介します。
She ignored his mistake because it was not serious.
大したことではなかったので、彼女は彼の過ちを見逃しました。
※「ignore」=無視する
My father let me off.
父は、私を許してくれました。
※「let + 人 + off」=「罪を犯した人を許す」
Hiroshi: I'm so sorry.
ヒロシ:本当にごめん。
Christine: I accept your apology.
クリスティーン:許してあげる(謝罪を受け入れます)。
「Apology accepted.」でも「許してあげる」という意味になる。
覚えた表現を自由に使いこなすには
この記事では、
- 「許す」という意味の4つの動詞の違い
- 「許可する」という意味の2つの動詞の違い
について説明しました。
この記事で紹介した「許す」の英語を覚えておけば、日常英会話で「許す」と言いたいときに困ることはないはずです。
自由に英語で話せるようになる勉強法
この記事で紹介した「許す」の例文は、そのまま使うことも、単語を入れ替えて使うこともできます。
でも、それだけでは同じパターンの英語しか話せるようになりません。
言いたいことを自由に英語で言えるようになるには、そのための勉強法で勉強する必要があります。
自由に英語を話せるようになる勉強法は、メール講座で公開しています。
以下のページから無料で参加して、不要になればいつでも解除できます。
気軽に参加してください。
「Excuse me.」は、よく聞く言葉やな。