英語学習のツボ!聞き流しで効果を出す条件とは?
テレビや雑誌、ネットの広告で、聞き流し学習だけで英語ペラペラになれるという教材をよく見かけます。
毎日どこかで広告を見ることから判断して、かなり大勢の人が聞き流し教材を使って勉強しているでしょうね。
でも、その割には聞き流し学習で英語ペラペラになったという人を見かけません。
本当に聞き流し学習は効果があるのでしょうか?
その疑問に答えるために、今回は、英語の聞き流し学習は本当に効果があるのかについてお話しします。
もしあなたが聞き流し学習で上達しているように感じないなら、もっと続けるべきかどうかの判断材料としてこの記事を参考にしてください。
目次
聞き流し学習をすると英語ペラペラになる効果はあるのか
「聞き流しは効果がある」
「聞き流しは効果がない」
いろいろ議論することはできますが、その前に現実を見てみましょう。
あなたの周りに、聞き流し教材で英語を勉強して英語を話せるようになた人が一人でもいますか?
「英語を聞いていると、自然に話せるようになる」
それが可能なら、すでに日本中、英語ペラペラの人であふれているはずです。
なぜなら、有名な聞き流し教材だけでなく、書店で売られているオーディオ教材、インターネットで提供されている英語音声など、大勢の日本人が通勤時間などを利用して英語音声を聞き流しているからです。
聞き流していたら英語を話せるようになるなら、その人たちは英語を話せるようになっているはずです。
でも、何年たっても、何十年たっても、教材の広告に出ている人以外には、 聞き流しで英語を話せるようになったという人を見かけません。
「英語の聞き流し学習は効果があるのか?」
あなたの周りを見れば、その答えは分かるはずです。
聞くスキルと話すスキルは別物
筆者は二十代のときにアメリカの大学に留学し、アメリカ人の学生に混じって毎日何時間も英語の講義を聴いていました。
聞き流しではなく集中して聞いていました。
ことのき講義の内容はほとんど理解できましたが、聞いているだけでは英語を話すスキルはまったく上達しませんでした。
いくら長時間 英語を聞いてもスピーキングは上達しない。
その理由は簡単。聞くスキルと話すスキルは別物だからです。
聞いているだけで話すスキルが伸びるわけがありません。
大人と子供は脳が違う
「ネイティブの子供はガリガリ勉強しなくても英語を自然に身に付けて話せるようになれます。私たちも英語に触れていれば英語が自然に身に付くのです」
という議論を聞くことがあります。
確かに、英語圏で生まれて育った人は、特に英語を勉強しなくても英語を話せるようになります。
でも、それと同じことは、私たち大人には起こりません。
仕事のために家族そろって海外で生活を始めたら、子供だけすぐに英語ペラペラになって両親はいつまでたっても英語を話せない、という話を聞いたことはありませんか?
筆者は、そういう人から何度も相談を受けたことがあります。
幼い子供なら、たくさんの英語に触れれば自然に言語の規則(文法)が身に付くんですね。
そして自然に英語を話せるようになります。
でも、大人は意識的に学ばなければ、外国語の規則を身に付けて正しく話せるようにはならないのです。
その分かれ目となる年齢(クリティカルエイジ)は、12歳~13歳と言われています。
もっと厳しいことを言えば、3歳までに脳の仕組みが固定されるので、それ以降は完全なネイティブにはなれないと言われています。
つまり、その年齢を過ぎてしまえば、ネイティブと同じように英語が身に付くことはないというわけです。
意味の分からない英文を聞き流しても意味がない
私は、中学生のころビートルズの曲を毎日のように聞いていました。
でも、英語を話せるようになるどころか、聞き取りも上達しませんでした。
私の他にも中学生や高校生で、毎日何時間も洋楽を聴いている人は大勢います。
でも、彼らは英語ペラペラになっているでしょうか?
「洋楽を聴いていたら、自然に英語が口から飛び出すようになっちゃったよ!」なんて話は聞いたことがないですよね。
どうしてでしょう?
その理由は、意味の分からない英語を聞き流しても言葉として認識されず、意味のない音として右から左に流れるだけだからです。
もし、英語力アップに洋楽を利用したいなら、歌詞と意味をすべて理解した上で繰り返し聞く必要があります。
英語フレーズをたくさん暗記すれば、自然に他の英文も言えるようになるのか?
仮に、聞き流し教材の単語と英文をすべて理解した上で繰り返し聞いて、英文をすべて覚えたとします。
それで英語を自由に話せるようになるかというと、そうはなりません。
英語教材に載っている英文をすべて丸暗記したとしても、そのままの英文を言えるようになるだけです。
「英文をたくさん覚えたら、覚えた英文を応用して別の英文を自由に作れるようになる」と説明している教材がありますが、そのようなことは起きません。
たとえば、以下の英文を暗記しても
We will change trains at the next station.
「私たちは、次の駅で電車を乗り換えます」
言えるようになるのは、この英文だけです。
別の英文も自然に言えるようになるということはありません。
英文をたくさん覚えたら、それを使って会話ができるのでは?
「英語教材に載っている英会話フレーズをたくさん覚えたら、それらを使って日常会話くらいできるようになるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、それは無理な相談です。
会話の流れは毎回まったく異なるため、英会話のときに必要なフレーズをすべて暗記することは不可能です。
だから、英文をたくさん暗記するのではなく、英文を作れるようになる勉強が必要です。
聞き流しでも学習効果を出せる条件とは?
ここまで聞き流し学習は効果がないということをさんざん言ってきました。
しかし、聞き流しでも学習効果を出せる条件があります。
それは、
- 多少ぎこちなくてもいいのですでに英語を話せる
- 英文法を理解している
- 英文に含まれている単語の意味を知っている
- 読んだり聞いたりしたときに理解できるレベルの英文を聞き流す
ということです。
このように、すでにある程度の英語力のある人であれば、英語の表現力を伸ばしたり、すでに知っていることを記憶に定着させるのに効果的です。
すでに買ってしまった聞き流し教材をどうすればいいの?
すでに買ってしまった教材を無駄にしないためには、聞き流すのではなくシャドーイングをしましょう。
シャドーイングとは、英文を聞いたら少し遅れて、声に出して英文を言うトレーニングのことです。
音声:I like Japanese beer too, but it's expensive here.
あなた:・・・I like Japanese beer too, but it's expensive here.
のように少し遅れて声に出して練習します。
以下にシャドーイングのやり方を学べる動画を紹介します。
練習するときには、自分の声で英語音声が消えないように、イヤフォンかヘッドフォンを使って練習しましょう。
シャドーイングをすることで、英文がよりしっかりと記憶に残るとともに、英語のリズムを体で覚えることができます。
だから、聞き流しをするより、ずっと学習効果があります。
ただし、シャドーイングをしても自由に英語を話せるようにはなりません。
あくまで、記憶に定着したり、英語のリズムが身に付いたりといったことです。
英語学習における聞き流し効果のまとめ
英語の聞き流し学習を続けても、「英語が自然と口から飛び出す」ような日はやってきません。
「聞く練習」をしても「話すスキル」は伸びないのです。
英語を話すスキルを伸ばしたいなら、話す練習をしましょう。
具体的な練習方法については、英会話ハイウェイの3ステップ勉強法のメール講座で詳しく説明しています。
以下のページから無料で参加して、不要になればいつでも解除できます。気軽に参加してください。