妨げる は英語で?ニュアンス別の7つの使い分け
「妨げる」は英語でどう言えばいいでしょうか?
中学生のときに英語の授業で習った「prevent from doing」を覚えているかもしれませんが、「妨げる」の英語は、ニュアンスによって他にも色々な言い方があります。
そして、ニュアンスの違う言葉を使うと、ネイティブの耳には変な英語に聞こえます。
この記事では、「妨げる」の英語をニュアンスごとに7つに分けて説明します。
正しいニュアンスの表現を使うと外国人との会話がスムーズになるので、最後まで読んで正しい使い方を覚えてください。
正しい勉強法で学んで、最短で英語を身に付けてください。
予防する
人が何かをしたり何かが起こりそうなときに、それを妨げるときの英語は「prevent」です。
「prevent」には、前もって妨げる、予防するという意味があります。
料金を前払いするカードを「プリペイカード」と呼ぶことから分かるように、英語の「pre」という言葉には「あらかじめ」という意味があります。
「prevent」のポイントは、「あらかじめ妨げる」ということと覚えておきましょう。
「prevent + 名詞」(~を妨げる)、「prevent + 名詞 from~ing」(~を妨げる)という形でよく使われます。
My friend was going to commit a crime but I prevented him from doing so.
私の友人は犯罪を行おうとしていましたが、私がそうしないよう防ぎました。
I prevented her from jumping into the river.
私は彼女が川へジャンプして入るのを止めました。
平穏な現状を乱す
今、行われていることを続けられないように邪魔するという意味の「妨げる」の英語は「disturb」です。
「disturb」には、人を不安にさせる、現状を変えて問題を引き起こすというニュアンスがあり、秩序や睡眠など平穏な状態にあるものを妨げるという意味で使われます。
外国のホテルに宿泊したとき、朝起こされたくないときには「Don't disturb」というカードをドアノブにかけておきますよね。
これは「睡眠を妨げないでください」という意味があります。
I disturbed the lady and she lost her concentration.
私はその女性の気をそらしてしまい、彼女は集中力をなくしました。
I disturbed the class so the kids began to behave badly.
私はクラスの邪魔をしてしまい、子供たちの態度が悪くなり始めました。
※「behave」=振る舞う
中断させる
急に話しかけたり、大きな音を出すなどして、人の話や行為を中断させるという意味の「妨げる」の英語は「interrupt」です。
「interrupt」には、現在の行為を一時的に中断させるというニュアンスがあります。
話しているときに、横から割り込んでくるイメージです。
I interrupted the conversation by saying “Excuse me.”
私は「スミマセン」と言って会話を遮ってしまいました。
He interrupted my conversation with William and told me that dinner was ready.
彼は私とウィリアムの会話を遮って、夕飯の支度ができたと私に言いました。
「inter~」ってよく出てくるな。
「Internet」とか。
「inter」には「~の間/中」という意味がある。つまり、何かが行われている最中に妨げるところがポイント。
また、問題を生じさせて正常な機能を妨げるという意味の英語として「disrupt」もあります。
「disrupt」は、交通や通信を妨げるという意味でよく使われます。
The traffic was disrupted by a large bird that landed on the motorway.
高速道路に降りてきた大きな鳥により交通が妨げられました。
※「land」=着陸する
障害を使って邪魔する
通り道に何かを置いて通行を妨げるという意味の英語は「block」です。
目の前にブロックの壁があって、それ以上前進できないイメージです。
「block」は、通行を妨げるという意味に加えて、物事の発生や発展、成功を妨げるという意味もあります。
He blocked my path so that I couldn't walk that way.
彼は私の行く道を遮ったので、その方向に歩いて行けませんでした。
※「path」=通路
The other fighter tried to punch me but I blocked it with my arm.
もう1人の戦士は私を殴ろうとましたが、私は肩を使って防ぎました。
※「fighter」=戦士、ボクサーなど
注意をそらして邪魔する
何か他の物に注意をそらすことで妨げるときの英語は「distract」です。
たとえば、勉強しているときに隣の部屋からテレビの音が聞こえてきたら、集中力が乱れてしまいますよね。
そういうときに使う動詞です。
The loud sound from outside distracted me from my work.
外から聞こえてきた大きな音は、私の仕事の妨げになりました。
The water dripping from the ceiling distracted the children from reading their books.
天井からポタポタ落ちてくる水が、子供の本読みの妨げになりました。
※「dip」=ポタポタ落ちる
同じような意味の「妨げる」の英語として「divert」もあります。
たとえば、政治に対する不満が高まるのを防ぐために、関係ないことに関して派手な政策を打ち出すことで、問題に注意が集まるのを妨げるようなときに使われます。
The mother managed to divert the tears of the baby by shaking a rattle to entertain it.
その母親は、赤ちゃんが泣いてしまうのを防ごうとガラガラを振ってあやしました。
※「manage to~」=何とか~する、「tear」=涙、「shake」=振る、「rattle」=ガラガラ(子供のオモチャ)、「entertain」=楽しませる
干渉する
望まれていないことに干渉して「妨げる」ときの英語は「interfere」です。
「interfere」には、必要とされていない状況や役に立てない状況に首を突っ込むというニュアンスがあります。
余計な口出しをするイメージです。
The onlookers of a crime scene were asked not to interfere with the police work.
犯罪現場の見物人は、警察の仕事の邪魔をしないよう言われました。
※「onlooker」=見物人
The teacher asked the headmaster not to interfere with the daily class matters.
その教師は、校長先生に、日常的なクラスの問題に干渉しないよう言いました。
※「headmaster 」=校長
行動を妨げる
人の能力や物事の発展を制限することで「妨げる」ときの英語は「hinder」です。
「hinder」には、現状より難しい状況を作り出して邪魔をするというニュアンスがあります。
The women's involvement was only hindering the progress of the project.
その女性の関与は、プロジェクトの進展を妨げただけでした。
※「involvement」=関与、「progress」=進行
The man thought he was helping by offering a suggestion but was told not to hinder.
その男性は提案をすることで手伝いをしているものだと思っていましたが、邪魔をしないよう言われました。
「Prevent」と「hinder」の違いは簡単。
「prevent」は、何かが起こるのを妨げること。
一方、「hinder」は、何かが起こりにくくすること。必ずしも妨げることに成功しているとは限らない。
「妨げる」の英語を自由に使えるようになるには
この記事では、「妨げる」の英語をニュアンスごとに7つに分けて説明しました。
正しいニュアンスの表現を使うことで外国人との会話がスムーズになります。
学んだ英語を自由に使いこなすための勉強法
この記事で紹介したような英文は、英会話のときにそのまま使ったり、単語を入れ替えたりすればすぐに活用することができます。
でも、それだけでは決まり切ったパターンの英語しか話せるようになりません。
言いたいことを自由に英語で話せるようになるには、そのための専用の勉強が必要です。
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「prevent + 名詞 from doing」に似た意味の表現に「keep + 名詞 from doing」がある。
My ex-wife has kept me from seeing my son.
元妻が、私が息子に会うことを拒んでいます。
ニュアンスに違いはあるが、ネイティブでも解釈が違うくらいなので英語学習者は気にする必要はない。
ニュアンスの心配は、英語をスイスイと話せるようになってからすればいい。