シャドーイングとは?簡単6ステップのやり方とおすすめ英語教材
このコンテンツは、現役のプロ翻訳者であるアキラが、ネイティブの監修のもと、日常英会話で使う表現や勉強法をできるだけ分かりやすい言葉を使って説明するメディアです。
英語を勉強していると、シャドーイングという言葉に出会います。
シャドーイングは、通訳者になるための英語の練習法です。
リスニング力アップに効果があるとか、英語ペラペラになれるとか、いろいろなことが言われていますが、本当のところはどうなんでしょうか?
いろいろな情報が錯乱しているので、この記事では、
- シャドーイングとは何か
- シャドーイングの効果
- シャドーイングのやり方
- シャドーイングにおすすめの教材
シャドーイングはとても効果のある英語の勉強法です。
ぜひ、この記事でやり方を学んで、今日から英語学習に取り入れてください。
目次
シャドーイングとは?
シャドウイング(shadowing)とは、シャドウ(shadow)とい言葉から想像できるように、影のように付いていくという意味があります。
英語学習では、英語音声を聞いて、即座に同じことを声に出して練習することをシャドウイングと言います。
あなた:・・・・Japanese people are very friendly.
もともとは、プロの通訳者を目指す人が、本格的な通訳の練習に入る前の段階として、シャドーイングを練習していました。
というのは、通訳をするためには、耳で英語を聞いて理解しながら、同時に日本語に訳すという2つの作業を同時進行で行う必要があります。
これを最初から行うのは難しいので、その前の段階の練習として、英語を聞いてそのまま英語で言うというシャドーイングが行われていたのです。
シャドーイングでは、耳で聞いた英語を一時的に記憶して声に出して練習しつつ、次に聞こえてくる英語を聞くという作業を行う必要があります。
この練習は、英語力アップに高い効果があるので、多くの英語学習者が実践しています。
シャドーイングとはどんなものか、イメージをつかんでもらうために以下の動画を紹介します。
この動画を見れば、シャドーイングとはどんなものか具体的なイメージが分かるはずです。
どんな効果があるの?
シャドーイングの練習をすると、どんな効果があるのでしょうか?
通訳者になるための練習法ということで、シャドーイングをすると英語ペラペラになれると勘違いしている人がいるようですが、それは間違いです。
シャドーイングで得られる効果は、主に以下のとおりです。
- リスニングが上達する。
- 話すときのリズムとイントネーションがよくなる。
- 発音がよくなる。
- 単語同士の音のつながり(リエゾン)が分かる。
- 英語のスピードに付いていけるようになる。
上記のように、シャドーイングで上達するのは主に、リスニングと発音に関するスキルです。
英語で話すスキルはあまり上達しません。
英語で話すスキルを伸ばすためには、シャドーイングとあわせて瞬間英作文の練習をすると効果的です。
瞬間英作文については、以下のページのステップ2で詳しく説明しています。
シャドーイングだけじゃなくて、いろいろやらなアカンのんやな。
シャドーイングだけみたいに、1つの練習法であらゆる英語スキルが伸びるということはない。
リスニング系の練習はシャドーイング、スピーキング系の練習は瞬間英作文というように分けてやらなあかん。
効果を上げる方法
シャドーイングは、とても学習効果の高い英語の勉強法ですが、ガムシャラにやるだけでは期待したほどの効果を得られません。
以下の点を意識することで、より高い効果を得ることができます。
自分の英語レベルにあったオーディオ教材を選ぶ
普段のリスニング練習に使っている教材か、それより少し簡単なくらいのオーディオ教材を使うことをおすすめします。
シャドーイングは、ただ英語を聞くだけのリスニングより難しいため、少し簡単な教材がちょうどいいくらいです。
また、簡単な教材で成功体験を積むことで自信を付けることができます。
難しすぎると最初から行き詰まるので、文字として読んだときに理解できるくらいの内容がおすすめです。
どの教材を使えばええんやろ?
興味のある内容のオーディオを選ぶ
英語学習全般について言えることですが、できるだけ興味のある題材を扱った教材を選んだ方が効果が上がります。
なぜなら、その方がやる気も集中力もうんと上がるからです。
普段から新聞すら読んでいない人が時事ニュースを扱う教材を聞いても、苦痛以外の何ものでもないですよね。
長続きするわけがありません。
興味のある題材のオーディオなら、楽しみながら練習することができます。
発音・リズム・イントネーションを意識的にマネる
英語の発音・リズム・イントネーションを意識的にマネしましょう。
たとえば「people」は、日本語読みでは「ピープル」ですが、ネイティブは「ピーポー」に近い発音をします。
日本語発音に引きずられないように、ネイティブの発音やリズムをできるだけ正確に再現しましょう。
シャドーイングのやり方:簡単6ステップ
英語力に自信があるなら、いきなりオーディオを再生してシャドーイングを始めてもかまいません。
でも、慣れていなければ最初からつまずく可能性があるので、最初はここで紹介するステップに従って練習することをおすすめします。
ステップ1:オーディオを聞く
最初は、シャドーイングに使うオーディオを聞いて、内容を大まかに把握します。
ステップ2:マンブリングをする
マンブリングというのは、英語の「mumble」(ぼそぼそいう)という動詞から作られた言葉です。
マンブリングでは、オーディオを耳で聞いたことをボソボソと声に出して練習します。
聞いたことを口に出すことに慣れるための練習なので、はっきりと言葉にする必要はありません。
あくまでボソボソ声でOK。
シャドーイングみたいに大きな声を出さずに練習するので、シャドーイングのように自分の声のせいでオーディオが聞こえにくくなることがありません。
いきなりシャドーイングから始めるのは難しいので、マンブリングで英文に慣れることから始めます。
たとえ英語の意味が分からなくても、聞こえたとおりに声に出しましょう。
分かる部分だけでもかまいません。
ステップ3:テキストを見て意味を確認する
ステップ2までやっても、英文をよく聞き取れなかったり意味が分からなかったりすると思います。
そこでステップ3では、英文テキストや日本語訳を見て意味を確認します。
分からないところは辞書で調べてもかまいません。
ステップ4:オーディオを聞きながらテキストを音読する
テキストを見ながらオーディオを聞いて、同時に声に出して練習します。
ステップ2のマンブリングでうまく言えなかった部分を確認しながら音読してください。
また、音の強弱やイントネーションを意識してマネしましょう。
ステップ5:発音と音の強弱を意識してシャドーイングする
英文の意味を理解することよりも、発音・リズム・イントネーションを意識してシャドーイングします。
聞こえてくる音声をできるだけ正確に再現してください。
このシャドーイングのやり方をプロソディ・シャドーイング(prosody shadowing)と呼びます。
人間の注意力には限りがあるため、最初(ステップ5)は音声を意識して練習し、その後(ステップ6)で英文の意味を意識して練習します。
ステップ6:意味を意識してシャドーイングする
ステップ5では、発音と音の強弱を意識してシャドーイングしましたが、ステップ6では英文の意味を意識してシャドーイングします。
何を言っているのか理解するように意識しながら練習してください。
慣れてきたら、誰かに話しかけているつもりで練習します。
感情を込めて身振りを付けるとさらに効果的です。
間違えたところを言い直してたら時間がかかってしようがないな!
最後までやってから、もう一回最初からやり直すときに正しく言えるように意識したらええんや。
初心者は最低でも30回くらいは練習した方がええ。
初心者でも効果はあるの?
シャドウイングは、リスニング力と英語のリズム感を身に付けるのにとても効果のある方法です。
でも、まったくの英語初級者にはやや難しいことがあります。
シャドウイングに挑戦したけど歯が立たないという場合は、まずはディクテーションをすることをおすすめします。
ディクテーションとは、英語音声を聞いて、聞いたことをそのまま紙(パソコン画面)に書き出していく練習法のことです。
ディクテーションの詳しい練習法については、以下のページの「初心者はひたすら精聴する」で説明しています。
上のページを参考にして、しばらくディクテーションを練習してからシャドーイングに挑戦してください。
シャドーイングにおすすめの教材
これからシャドーイングを始めるという人や、今まで我流でやって来たけどあまり効果を実感できないという人は、シャドーイング専門の教材で練習することをおすすめします。
英語の初心者に圧倒的におすすめなのは、『決定版 英語シャドーイング 入門編』(玉井 健著)です。
この本では、シャドーイングのやり方が具体的に詳しく説明されています。
英語の初心者の場合、シャドーイングをしようと思っても、ネイティブの英語を聞き取れなかったり、英語音声が早すぎてまったく付いていけなかったりということがあります。
このシャドーイング教材は、
- 具体的なやり方が分かるので、シャドーイング経験ゼロの人でも実践できる
- 英語初心者でも理解できる簡単な単語と表現が使われている
- 会話のスピードがゆっくりである(少し速い部分もあります)
ため、英語学習の初心者でも安心して取り組めます。
一押しのシャドーイング教材です。
次におすすめするのは、「決定版 英語シャドーイング」(門田修平・玉田健 共著)です。
この本では、第1部で英語学習のプロセスやシャドーイングの効果について、詳しく説明されています。
おそらく学者さん以外はあまり興味がないと思うので、第1部はさらりと読み飛ばして第2部から開始しても問題ありません。
第2部では、シャドーイングの実践方法が詳しく解説されています。
この本をおすすめする理由は、付属のCDに、実際のマンブリングのやり方、シャドーイングのやり方などが収録されていることです。
シャドーイングのやり方を文字で読んだだけではよく分からない場合も、このオーディオを聞けば分かるはずです。
最初は、『決定版 英語シャドーイング 入門編』の方が圧倒的に分かりやすいな。
『決定版 英語シャドーイング』もいいけど、第1部の説明を読むのはつらいわ。
そうやな。最初は『決定版 英語シャドーイング 入門編』がおすすめや。
「入門編」と書かれているだけあって、誰でも安心して始められる。
『決定版 英語シャドーイング』の第1部は、興味がなければサラっと読むだけでええよ。
また、『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』(森沢洋介著)もおすすめです。
『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』では、36ページまでが勉強方法の説明に割かれています。
効率的に英語力アップするには、正しい方法で勉強することが必須なので、とても重要な部分です。
このページで紹介した勉強法とは少し違う部分がありますが、基本の部分は同じなのでご安心ください。
また、「多聴多読マガジン」もおすすめです。
「多聴多読マガジン」は、すこし大きめの書店に行けば売られています。
自信のある人は、この他の教材を選んでもかまいません。
普段のリスニング練習で使っているものより少し簡単なものをおすすめします。
もちろん、YouTubeやPodCastで探してもかまいません。
私みたいな英語初心者は、どのシャドーイング教材を使ったらええんやろ?
『決定版 英語シャドーイング 入門編』を選んだら失敗はないと思うで!
シャドーイングで英語を話せるようになるには
この記事では、シャドーイングとは何かと、シャドーイングのやり方についてお話ししました。
シャドウイングは、リスニング上達と英語の発音・リズムを身に付けるのに、とても効果のある練習法です。
まだ、毎日の英語学習に取り入れていないなら、ぜひ今日から始めてください。
必ず効果を実感できるはずです。
自由に英語を話せるようになる勉強法
シャドーイングは、主に英語のリスニングと発音・リズムが上達する練習です。
とても効果のある勉強法ですが、他人が作った英文を使って練習するため、自分で英作文して話すスキルはそれほど伸びません。
自由に英語を話せるようになる勉強法は、メール講座で紹介しています。
無料で参加して、不要になればいつでも解除できますので、気軽に参加してください。
めちゃめちゃ大変そうやな。