英語の語呂合わせ?新TOEICの単語500個をザクザク覚える方法
就職や転職、昇進などでTOEICスコアが求められることがよくあります。
テストが差し迫ってきたときに短期間にTOEICスコアを上げるには、TOEICに頻出する単語をたくさん覚えるのが効果的です。
そこで、TOEICによく出る重要単語500個を英語の語呂合わせでザクザク覚えられる単語教材『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』の感想・レビューをまとめました。
この記事を読めば、この教材があなたのレベル・目的に合ったものかどうかを判断することができます。
TOEICのために単語教材を選ぶときの参考にしてください。
なお、TOEICスコアを上げる必要はなくて、英会話で使える単語力を身に付けたい場合は、『英語が口からポンポン出てくる!単語の覚え方6つのテクニック』を読んでください。
目次
誰のための単語教材か
この英単語教材の名前が『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』なので、TOEIC 500点レベルを目指す人のための教材かと思ってAmazonで購入しました。
でも中を見てみたら違っていました。
500という数字は、500個の単語を掲載しているという意味であってTOEIC 500点レベルということは、どこにも書かれていません。
私たちが長年にわたってひねり出した語呂の中から今回500を精選しました。どれをとってもTOEIC(R)テストで頻出している単語ですので、受験を目指している皆様に自信を持ってお届けします。
「はじめに」より
TOEIC教材の名前に500という数字が入っていたら「500点」という意味と解釈するのが普通だと思います。紛らわしいネーミングは避けてもらいたいものです。
では、実際のレベルはどれくらいかというと、
- 「Level 1 どうしても覚えたい基本語」
- 「Level 2 覚えておきたい頻出語」
- 「Level 3 高得点獲得のための重要語」
と書かれているだけで、目安となるTOEICスコアは書かれていません。
そこで、『新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ』(金フレ)と比較して、どれくらいのレベルなのかを検証しました。
『金フレ』は、TOEIC 500点をすでに持っている人を対象とした単語帳で、600点レベル、730点レベル、860点レベル、990点レベルに分けて単語が掲載されています。
『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』に掲載されている単語と、『新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ』に掲載されている単語をいくつかランダムに選んで比較した結果、以下のようになりました。
レベル1:600、730
レベル2:600、860、990
レベル3:600、730、990
つまり、レベル1でも600点レベル以上の単語が掲載されているので、TOEIC 500点を目標とする人のための単語教材というより、すでに500点を取る英語力を持っている人が語彙力を付けるための教材と考えられます。
掲載されている例文を見ても、以下のようにTOEIC 500点以下の人には少々難しそうです。
A: Experts predict that the economy will not recover in the next 10 years.
B: No, that's absolute nonsense.
(2ページより)
もちろん、TOEIC 500点以下の人がこの単語帳を使ってはダメということはありませんが、書店で例文に目を通して、難しすぎないか確認することをおすすめします。
TOEIC 500点を目指しているなら、『新TOEIC TEST 単語・フレーズで500点の感想・レビュー』を参考にどうぞ。
この教材の特徴
語呂合わせで単語を覚える
『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』の一番の特徴は、語呂合わせで単語を覚えるということです。
語呂合わせと言えば、歴史の年号を覚えるときに「鳴くよウグイス平安京」(794年、桓武天皇が平安京に都を移した年)と覚えた人は多いと思います。
これを英単語の暗記に応用しようというものですね。たとえば、「absolute(疑問の余地のない、絶対的な、明白な)」という単語は、「アブ去るーということ、明白だ」という語呂合わせで覚えます。
英単語を覚えるのに、日本語とイラストを使った連想を利用する記憶術ですね。
私は大学受験のときに語呂合わせで単語を覚えて受験を突破したので、語呂合わせ暗記法のメリットとデメリットがはっきり分かります。
- 単語を覚えやすい。
- 忘れにくい。
- 短期間にたくさんの単語を覚えられる。
- 「absorb」と「absolute」など何となく似ている単語を間違えることがなくなる。
- 筆記試験のスコアアップに効果を発揮する。
デメリット
- 意味を思い出すのに時間がかかるのでリスニングでは使えない。
- 英語から日本語の意味を思い出せるが、日本語から英単語を思い出せない。
- 思い出すのに時間がかかりすぎて英会話のときには使えない。
つまり、TOEICのような筆記試験で短期間にスコアアップするために、たくさんの単語を覚えるのには適していますが、語呂合わせで覚えた単語は英会話では役に立ちません。
英会話で使える単語力を身に付けたい場合は、『英語が口からポンポン出てくる!単語の覚え方6つのテクニック』で説明している方法で覚える必要があります。
語呂合わせの覚え方は、あくまで、
- TOEICテスト対策
- 覚えにくい単語を何とか覚えるための苦肉の策
と考えるべきです。
この教材の「本書の活用の仕方」の欄に「(例文を)できれば丸ごと覚える」と書かれていることからも、語呂合わせだけではダメなことを著者も理解されているようです。
この単語教材の売りが語呂合わせだとは言っても、語呂合わせだけに頼っていたら後悔することになります。
語呂合わせはあくまで、覚えにくい単語を覚えるためのヒントとして使うべきでしょう。
リスニングCDはアメリカ英語とイギリス英語に対応
日本で販売されている教材のほとんどはアメリカ英語が収録されていますが、TOEICテストではアメリカ英語、イギリス英語など複数の方言(発音)が出題されます。
それに対応するために『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』のオーディオCDには、アメリカ英語とイギリス英語を織り交ぜて収録されています。
アメリカ英語とイギリス英語は発音にかなり違いがあるため、アメリカ英語の音声教材だけを聞いてリスニングを練習していたら、イギリス英語を上手く聞き取れなくなります。
ですので、アメリカ英語とイギリス英語の両方を練習できるのはありがたいことです。
効果の出る勉強法
すでに述べたように、『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』は、単語を語呂合わせで暗記するための単語教材です。
短期間にたくさんの単語を覚えて、とにかくTOEICスコアを上げたい場合は、語呂合わせで覚えまくることをおすすめします。
語呂合わせで覚えても英会話スキルは伸びませんが、筆記試験の点数を上げることができます。
TOEICスコアを上げるだけでなく英会話力も付けたい場合は、英語の例文を読んで日本語に訳し、日本語文を読んで英語でスラスラ言えるように練習してください。
覚えた単語を英会話で使えるようになる単語の覚え方については、『英語が口からポンポン出てくる!単語の覚え方6つのテクニック』で詳しく説明しています。
いずれの場合も、音声CDを繰り返し聞いて発音をしっかり覚えましょう。
まとめ:短期間にTOEICスコアアップしたい人におすすめ
英語学習に語呂合わせを使う方法は、短期間にたくさんの単語を覚えてTOEICのような筆記試験でスコアアップするのに効果的です。
しかし、語呂合わせで覚えた単語は英会話では使えないという欠点があります。
もちろん、この単語教材でも、勉強法を工夫すれば英会話で使える英語力を身に付けることはできます。
しかし、その場合は語呂合わせは必要ないので、この教材を選ぶ理由がありません。
ですので、『新TOEICテスト 最重要英単語500 1語1分 超速マスター』は、短期間にTOEICのスコアを上げたい人で、すでに500点レベルの英語力を持っている人におすすめします。
TOEICのスコアアップが目標の場合も役に立つので読んでください。
もちろん、金フレの分類が正しいという保証はない。あくまで目安として比べてみた。